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あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
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一瞬だけ、脱『変態』してみる

★天邪鬼あぷらなーとは・・・

他人と同じ事をするのがイヤなあぷらなーとは何か面白い事は無いかと(無理矢理)珍妙な装置や手法を編み出してきた訳ですが、怪我の退院を機に「過去に撮影したオーソドックスな写真」を「今の力量」で画像処理したらどうなるんだろう・・・??
と思い立ちました。

いや、決してネタ切れとかではなくて、今後の発展のために・・・です。

★というわけで、今回の素材は・・・

2015年に撮影したオリオン座大星雲M42を素材として画像処理してみます。

●望遠鏡はVMC260Lの『素』の鏡筒です。
 レデューサもフラットナーもビームスプリッタも無しです。
●カメラはニコンD5000です。
 ただし、IRフィルタの除去改造は施してます。
●フィルタはLPS-P2のみです。
●露光はISO3200で20秒露光のノータッチガイド。
 オートガイドもディザリングも段階露光も無しです。
●ただし、枚数は144コマ使います。
●ダークは撮影しましたが、フラットは無しです。


★・・・てことは・・・

冷却CMOSカメラも、モノクロセンサーも、ナローバンドも一切なしという『初心者』モードですね。

ただし、画像処理は真面目にやります!
ええ。
 ステライメージ6.5
 AutoStackert!2
 レジスタックス6
 フォトショップCC
 NikCollection
 シルキーピクス7Pro
フル動員して、『秘術の限り』は尽くしてみますとも。

まあ、実際は『秘術』ってほどでもないですが
 ①ベイヤーデータのままでビニングしてL画像を得る
 ②ウェーブレット処理+最大エントロピー画像復元の重ね技
 ③NikCollectionのHDR+Defineでディテールを出しつつノイズ除去
 ④デジタル現像することで高輝度データをサチらせない
 ⑤RGBデータはシルキーピクスでアステア調に整える
 ⑥L-RGB合成で色ノイズを回避する
 ⑦微妙なノイズはステライメージのスターシャープで消す
ってところですかねぇ。

 
すると・・・・

ででん!!
f0346040_01201793.jpg
ええと・・・
なんか、コレだけ写ればもう十分なのではないか・・・などと思ってみたり。

うーむ。今後の機材展開に関して、色々と悩んでしまうなぁ・・・・。

ま、ともかく
『明るい星雲の写真は、機材や撮影テクに凝らなくても真面目に処理すれば、まだまだ発展の余地がある』
ってことですかねー。

皆さん、
たまには初心に返って
明る-い星雲を気軽に撮ってみません??

★注
あぷらなーとの『変態機材』ファンの皆さん(いるのか?)
それとこれとは話が別ですので、決してオーソドックス路線に切り替える訳ではありません。念のため。

★★★追記★★★

さらに再処理。
こういうテイストもアリかなぁ・・・。
f0346040_10591640.jpg
ちなみにD5000に過度な期待を抱かれるのも困るので、元画像(トーン修正のみ)も載せておきます。
f0346040_11100909.jpg
ま、せめてこれくらい写ってれば、上のレベルには容易に引っ張り上げられると言うことで・・・♪


by supernova1987a | 2018-07-08 01:47 | 天体写真 | Comments(14)

満月に負けない!③

★『難敵』馬頭星雲

いつも、ネット上の素晴らしい作品を見てため息をついている天体があります。
メジャーな割に結構難敵な対象、馬頭星雲です。
これ、すごく苦手なんですよねぇ。

そばに輝星があるし、そもそも暗いし、・・・暗いお空の元で明るい光学系使わないと上手く写せそうにありません。
これまでのチャレンジだと、星雲本体が淡いか盛大な『縮緬ノイズ』が出るかで全て玉砕。


★3つの『新兵器』フル動員でがんばってみる

久しぶりに晴れた先日の日曜日、満月期ではありますが、リベンジしてみることに。
今回は、昨年までと異なりVMC260Lに「3つの新兵器」を投入。

 ①ASI1600MCとMMで同時露光するビームスプリッター
 ②『縮緬ノイズ』を劇的に軽減する『クールファイル補正法』
 ③Hα12nmナローバンドフィルタ

さらに、普段無精して割愛しているポールマスターによる極軸合わせとPHD2によるオートガイドも実施します。

f0346040_14093122.jpg

馬頭初心者としては、あまり欲張らずに
「とりあえず、それっぽく見える」
ことを目標に仕上げてみます。


★撮影の主データ

望遠鏡:VMC260L+自作レデューサ
カメラ:ASI1600MC-COOL + ASI1600MM-COOL
赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス
ガイド:PHD2+ミニBORG50によるオートガイド
ゲイン:400(MC.MMとも)
冷却:-10度(MC.MMとも)
フィルタ:MCにLPS-D1 MMにHα12nm
露光:30秒(MC.MMとも)
※ドリンクウォーマー転用ヒーターで結露とり

珍しくオートガイドを入れているので本来は露光をもっと伸ばせそうですが、すぐ近くに満月がありますしガイド鏡のたわみやVMCのミラーシフトなどがあるので、いつもの「短時間露光多数枚コンポジット」で行きます。


★1コマ撮りだと・・・

MCとMMの1コマ撮りだとこんな感じです。

f0346040_14182181.jpg
 ※左:MC1コマ撮り 右:MM1コマ撮り

お?
MCだと完全に満月の明かりに埋没している馬頭が、MM+Hαだとうっすらと見えます!!


★120コマコンポジットしてみます

MCはダーク減算とホットピクセル除去を施してコンポジット
MMはそれに加えて『クールファイル補正』を加味してコンポジット
できるだけ『縮緬ノイズ』を押さえ込んでみます。

f0346040_14214984.jpg
 ※左:MC120コマコンポジット 右:MM120コマコンポジット

おお!

MM+Hαの方は、クッキリと馬頭が浮かび上がってきました。
ナローバンド、すげぇ♪


★その他ゴニョゴニョしてLRGB合成

(炙り出しした際に)ある程度ノイジーになる画像の『応急処置』にも慣れてきました。
ステライメージの他にNikCollectionとシルキーピクスを使って、ノイズを『ごまかし』ます。

今回もフラット補正はしていないので、「今後のお楽しみ」

さて、ノイズ処理加工したMMのL画像とMMのRGB画像をLRGB合成してみます。

すると・・・


ででん!
f0346040_14310055.jpg
うむ。
明らかに「自己ベスト」の馬頭星雲ゲットです♪
・・・満月期に(笑)

・・・まあ、ベテラン諸氏から見ると『鼻で笑う』レベルでしょうが、前回作と比べるとその差は歴然
ここは自己満足しておきましょう。

前回の馬頭星雲(2016年8月31日撮影)↓

f0346040_14402157.jpg
 ※VMC260L+純正レデューサ+LPS-P2フィルタ
  ASI1600MC-COOL(-15度) ゲイン200 露光30秒×50枚コンポジット
  (低ゲインなのに『縦縞まみれ』なのは、無理して炙り出してる証拠xx)

さて、新月期に真面目に撮るとどうなるんでしょうなぁ。
わくわく!


by supernova1987a | 2017-11-13 14:46 | 天体写真 | Comments(12)

満月に負けない!②

★満月期でもナローなら!

ナローバンドは「満月期や市街地に強い」らしい。
たしかに、前回画像処理したオリオン座大星雲M42は良い感じで撮影できました。

とは言うものの、暗めの天体でも「そう」なのかなぁ?
などと懐疑的だったので、今回は、少し暗めの天体で試してみることに。

・・・まあ、前回に撮りためてたデータを画像処理しただけなんですが・・・ね。


★あこがれの『シャボン玉』

シャボン玉星雲(バブル星雲)NGC7635。数年前から、これを撮るのに憧れてました。
とは言え『明るい天体専門』の あぷらなーと にとっては、これ結構暗いんですよねぇ・・・。
写ってるんだろうか・・・。

撮影機材は、例の「ヘンテコ」なセット
VMC260L+自作レデューサ+自作ビームスプリッタ に
ASI1600MC-COOL+LPS-D1フィルタ(ゲイン400)
ASI1600MM-COOL+Hα12nmフィルタ(ゲイン400)
の2台の冷却CMOSカメラを接続して同時露光
シャボン玉星雲はM42よりも前に撮ったのでオートガイド無しのノータッチガイドです。

f0346040_08543028.jpg
それにしても、満月の明かりが強烈でしたからねぇ。
ゲイン400の30秒露光の1コマ撮りだと(がんばって炙り出しても)こんな感じ。
f0346040_03515136.jpg
全然『シャボン玉』に見えない(涙)

さて、Hαナローだと、どうなりますか。


★驚異のナローパワー

いや、正直、侮ってました。
Hαナローって(安価な12nmタイプですら)スゴく効きますね。
まあ、下の画像を見てやってください。

左がMC+LPS-D1 ゲイン400・30秒露光×107コマコンポジットで
右がMM+Hα12nm ゲイン400・30秒露光×110コマコンポジットなのですが・・・

f0346040_03552392.jpg
げげっ!
あ、圧倒的じゃないか!

ナローバンド恐るべし

条件が揃うもなにも、そもそも全く同時刻に同じ鏡筒の像をビームスプリッタで2分割してそれぞれのカメラに入射させてますので、「完全に公平」な比較なわけですよ。・・・すみません。使う前から侮ってました。

※Hαの方はMCに比べて圧倒的に低ノイズ(SN比が高い)だったので、最大エントロピー画像復元を掛けています。



★早速L-RGB合成してみる

この2つの画像を合成するには、(素人頭では)主として2つの流儀が考えられます。

①MM+HαをL画像、MCをRGB画像として、LRGB合成する
②MCのRGB画像の内、RチャンネルをMM+Hαの画像にスワップする

双方やってみたのですが、①は解像度が高いものの「発色が浅い」ようです。対して②は「発色がエグい」上にノイジーでした。
仕方ないので①②をブレンドしてみます。(なんか胡散臭いですが、所詮遊びなので・・・)

すると・・・

ででん!
f0346040_04060538.jpg
おお! なかなか良い感じです♪

・・・というわけで、「人生初のシャボン玉」は、まさかの満月期にゲットできちゃいました。

めでたい♪


★★★補足★★★
自作ビームスプリッタは、カラーカメラとモノクロカメラを同時露光できる便利なグッズですが、懸念されていたのが「分厚いガラス塊を通過する際に生じる負の球面収差と色収差」でした。
※幾何光学的にシミュレートした試算結果は下記リンク参照↓

正確な考察では無いのですが、クローズアップレンズを転用した自作レデューサでは不可避な「正の球面収差」がビームスプリッタの「負の球面収差」と相殺する方向に働いており、色収差に関してはナローバンドフィルターの特性から大幅に軽減(というか、事実上消滅)されたことにより、たまたま「良い感じ」のコンディションになった可能性もあります。(VMC260Lとクローズアップレンズの設計データが不明なので、詳細な考察ごっこは不能ですが・・・)
無論、選別した光が長波長であることでシンチレーション(シーイング)の影響が軽減される点と、恒星像が暗くなったことによる「見かけ上のシャープさ」も大きく寄与していると考えられます。

ちなみに、ビームスプリッタの使用により各カメラに入射する光量は1/2になりますので、実質フィルタホイールを使った場合と運用効率は変わりません。
・・・でも、カメラごとにピントの微調整ができるので、楽と言えば楽なんですよねー。今後の展開を考えると♪

by supernova1987a | 2017-11-09 06:32 | 天体写真 | Comments(8)

もう少しリアルなM42に・・・

★昨日のエントリーで

VMC260L+ビームスプリッタ+Hαナローを用いたオリオン座大星雲M42の高解像度画像をアップしたのですが、


さすがに色が不気味だったので(もともとHαをLチャンネルにしたので仕方ないのですが)もうすこしリアルな色調に直したくて再処理することに。

ついでに、画像処理の過程で1カ所(『クールファイル』の演算過程で)ミスっていたので訂正。


★今回の流れ

<撮影>
VMC260L+自作レデューサ+自作ビームスプリッタを用いて
 ASI1600MC-COOL+LPS-D1 ゲイン300・30秒露光×120コマ
 ASI1600MM-COOL+Hα12nm ゲイン300・30秒露光×120コマ
を同時露光

<追尾>
K-ASTEC改造Newアトラクス+ミニBORG50アクロ+PHD2オートガイド

<画像処理>
MMの画像120コマを加算コンポジットしたものをL画像、MCの画像120コマを加算コンポジットしたものをRGB画像としてLRGB合成。(L画像には最大エントロピー画像復元+NikCollectionのHDR&Defineを付加)

『縮緬ノイズ』軽減の秘技『クールファイル補正』↓の運用にもだいぶ慣れてきました。


すると・・・

ででん!
f0346040_00281439.jpg

こういうテイストもアリだなぁ

とても満月期に市街地で、しかもカメラを『冷却するのを忘れちゃった』とは思えない写り♪

よし。今年の冬は、以前いい線まで行って頓挫した『ハッブルに肉薄ごっこ』に再チャレンジするかな?





by supernova1987a | 2017-11-07 06:51 | 天体写真 | Comments(8)

満月に負けない!

★休日の晩に晴れるのは久しぶり

日曜日の夜は久々に晴れでした。
満月付近の月が強烈な光を放っていますが、何か撮らないと気が済みません。

・・・よし。
こうなったら、アレを試そうじゃないか!


★ビームスプリッタ+ナローバンド

「あぷらなーと特製ビームスプリッター」と「Hαナローバンド」の合わせ技で月明かりをなんとかすることにチャレンジします。

f0346040_08460457.jpg
主砲はVMC260L。
これに自作ビームスプリッタ&自作レデューサを介して、「LPS-D1+ASI1600MC-COOL」と「12nmHα+ASI1600MMーCOOL」を同時露光する作戦です。

せっかくなので、1年ぶりとなるオートガイドにも挑戦。(なまじノータッチガイド+短時間露光多数枚コンポになれちゃった身としては、オートガイドが面倒くさいんですよねぇ・・・)ガイド鏡はミニBORG50アクロ(にせBORGの方じゃなくて本物の方)を『コバンザメ方式』で同架します。
f0346040_08551177.jpg
ついでに極軸も、いつもの目視では無くて久しぶりにポールマスターを使います。(実は目視に比べて精度が良いかというと微妙なんだけれど、気持ち的に。)
もちろん、ピント合わせはバーティノフマスクを利用(実は目視で合わせた場合よりも精度が良いかというと微妙なんだけれど、気持ち的に。)

ところが、あれこれ準備しているうちにどんどん夜露が降りてきて鏡筒がビショビショに!
早速ドリンクウオーマーを転用したヒーターでカメラ2台とVMC260Lの副鏡を暖めて結露を防ぎます。
f0346040_08543028.jpg
f0346040_08545437.jpg

★手始めにオリオン座大星雲を♪

明るい星雲は処理が楽ですからね♪

・・・・ところが

・・・えっ!
ま、マズい!!

・・・まさかのポカミスが発覚!

ASI1600MMの方の冷却を忘れてたまま120コマも撮影してしまった。
ああー、久々に慣れないことをしたせいで、他の設定に気を取られてしまったようです。
むう-。センサー温度7.5度かー。
ま、あとでダーク撮り直せばなんとかなるでしょ。



★1コマ撮って出しだと

さて、撮って出しの1コマデータを比較してみます。

<共通データ>
VMC260L+自作レデューサ
ゲイン300・RAW-FITS 露光30秒
K-ASTEC改造newアトラクス+PHD2オートガイド

<差異データ>
ASI1600MC:LPS-D1フィルタ併用 -10度まで冷却
ASI1600MM:Hα12nmフィルタ併用 冷却無し(痛恨のミス)

f0346040_09200229.jpg
 左:MC+LPS-D1 右:MM+Hα (ともに200%表示。画像処理一切無し)

おおっ!
MM+Hαすごくシャープですよ!?
明るさが足りないとかサチって無いとかというレベル「ではない」なー、これ。
やはり、Hαナローだと(補正レンズやレデューサやビームスプリッタの)色収差の影響を回避できる上に、シーイングの影響も受けにくいのかも。



★120コマコンポジットしてみる

早速、MCとMM各120コマのコンポジットに入ります。

f0346040_09293527.jpg
 左:MC+LPS-D1 右:MM+Hα (ともに200%表示。各120コマ加算平均コンポジット)
※MMの方は、ダークの温度が合っていない時点でハンデがあるので、例の『クールファイル補正法』を使って処理してます。

うーむ。
滑らかになった画像でも明らかにMM+Hαはシャープだなぁ。
しかも、この画像の滑らかさは・・・
これはたぶん、ウェーブレットよりも最大エントロピー法が「キマる」パターン!!


★最大エントロピー法で画像復元してみる

惑星撮影で解像感を上げる手法としてはレジスタックスなどのウェーブレットが主流ですが、月面や星雲の場合、条件が良いとウェーブレットよりも最大エントロピー法の方が効くことがあります
上手く行けば、「シャープかつ線が細い」像が得られます。

では、早速やってみましょう。

f0346040_09401093.jpg
 左:MM+Hα120コマコンポジット+デジタル現像 右:左記に加えて最大エントロピー画像復元

うわっ

やっぱり、最大エントロピーが効く!!

恒星の中心が黒く落ちてしまってますが、解像度が格段に上がって、しかもウェーブレットのような不自然さがありません。


★L-RGB合成してみる

最後に、MM+Hαで撮影したモノクロ画像をL、MC+LPS-D1で撮影したカラー画像をRGBとして、L-RGBカラー合成してみましょう。
ついでにNikCollectionで少し調整して整えます。
すると・・・・・

ででん!
f0346040_09484030.jpg
おお、とっても良い感じです♪

うむー。

『ビームスプリッタ+ナロー撮法』なかなか面白いではないかー。

さてと、落ち着いたら、今回初挑戦した「シャボン玉星雲」も処理ってみましょうかねぇ♪

※追記:ナローバンドでシャープに見える一要因として、星雲の光と比べて恒星の光はカットされやすいため、星像が引き締まって見えることも大きいと思います。

by supernova1987a | 2017-11-06 10:01 | 天体写真 | Comments(8)

M17を再処理してみる

★ここまでの試行で2つの武器を手に入れたので

半年がかりで、下記2点の『怪しげな』ワザを手に入れました

 ①LRGBを同時露光する『ビームスプリッタシステム』

 ②ダークやフラットで消せない黒点を軽減する『クールファイル加算法』

もちろん、はじめから『王道』に進めば変な回り道をせずに済みそうですが、折角なので4月24日に撮影していたM17オメガ星雲の画像処理をやり直してみることに。

今回の画像処理目標は「滑らか」です♪
極力「変な処理」はしないように心がけてみます。



★撮影時のデータは・・・

望遠鏡:VMC260L+ACクローズアップレンズNo3
フィルタ:LPS-P2
赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス
ガイド:ノータッチガイド
カメラ:ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを
    ビームスプリッタで同時露光
ゲイン:MM・MCともに400
撮像温度:-15度に冷却
露光:MM・MCともに15秒
撮像枚数:MM・MCともに200コマ


★撮って出しの画像は・・・
f0346040_08153133.jpg
f0346040_08154069.jpg
こんな感じの画像ですね。市街地でたったの15秒露光の割には良く写ってます。
前回処理したときは、
 MCのカラー画像をモノクロ化してL画像に加算したり
 シルキーピクスのノイズ整列を多用したり
 レジスタックスのウエーブレットを使ったり
ありとあらゆる『秘策』をフル動員したのですが
今回はシンプルに行きます。



★大まかな処理フロー

(1)MMとMCそれぞれについて撮影時と同等条件で撮像したダーク画像を
   各200コマコンポジットしてダークファイル作成
(2)ダークファイルを減算処理
(3)ステライメージのホット除去フィルタを実行
(4)位置合わせ無しで200枚コンポジットしたものと、
   さらにステライメージのクール除去フィルタを作用させたものとの
   差を取って『クールファイル』作製
(5)(3)の画像それぞれに『クールファイル』を加算
(6)MM,MCそれぞれ200コマを「位置合わせあり」で加算コンポジット
   した後2×2ソフトウェアビニングを掛けてL画像とRGB画像にする
(7)ステライメージでデジタル現像+周辺減光補正
(8)MMのL画像にNikCollectionのシルバーエフェクトをかけて調整
(9)L+RGB合成処理 + Lab色彩調整
(11)NikCollectionのノイズリダクションを軽めに実行
(12)シルキーピクスでテイスト調整
(13)その他微調整

以上、合計400コマの画像処理にかかった所要時間は約2時間ほどでした。
ステライメージ6.5のコンポジットは「爆速」なので、慣れれば全行程を1時間以内に納められそう。



★今回の仕上がり写真
f0346040_08292979.jpg
あまり時間を掛けなかった割には滑らかに仕上がりました。
 ※ちょっとマゼンタに寄りすぎたなぁ・・・
 ※ストラクチャに関してはもっとドキツイ処理でも良かったかも?
 ※フラット無しなので周辺部はトリミングしてカット

ちなみに、少し荒れ気味になって良いなら、レジスタックスに少し掛けて・・・・
f0346040_10565363.jpg
こういうのもアリかなあ?


さて、あとはVMC260L用のフラット補正に着手しなきゃ。
・・・・たぶん、まもなく5000円程度の『秘密兵器』が届く予定♪


by supernova1987a | 2017-09-14 08:40 | 天体写真 | Comments(6)

少しづつ再処理していくかぁ・・・・

★ASI1600MMのクールピクセル回避法で・・・・

『クールファイル加算法』で『縮緬ノイズ』が回避されることが分かったので、
過去の撮像データの内クールピクセルの影響を受けていそうなものを再処理してみることに。

★手始めに干潟星雲を・・・

元々撮影したのは5月1日でして、VMC260L+ビームスプリッタで、MMとMCの同時露光したもの。
ただし、途中でモヤが掛かってしまって(若干の結露も?)ボケボケの像に(泣)。かといってシャープ処理やウェーブレットするとノイズバリバリだったのでお蔵入りに・・・・という困った素材です。

ちなみに元画像は、こんな感じです。
f0346040_10311370.jpg
 ※VMC260L+AC3クローズアップレンズ+ビームスプリッタ+LPS-D1フィルタ
  ASI1600MMーCOOL ゲイン400・30秒露光 K-ASTEC改造Newアトラクス+ミニBORG50+PHD2によるオートガイド

VMC260Lのフラット撮影はまだ実施していないので、とりあえずダークファイルを引いて、例の『クールファイル処理』を実施したものを60枚コンポジット
MCの方はあまりクールピクセルの影響を受けないので普通にホット・クール除去フィルタ処理を実施して60枚コンポジット
MMの方にレジスタックスのウェーブレットとNikCollectionのHDRを軽く掛けてLRGB合成してみます。

f0346040_02002206.jpg
少し眠い画像ですが、なんとかウネウネがよく見える画像に生まれ変わりました。
残念ながら今年の夏はM8が撮れなかったので、また来年再チャレンジします。

・・・それにしてもM8やM42のような明るい対象はお気軽に写せるので楽しいですね。



by supernova1987a | 2017-09-12 23:44 | 天体写真 | Comments(10)

トラペジウムの『ダンス』

★モノクロCMOSカメラの利点は

ASI1600MM-COOLなどモノクロ版の冷却CMOSカメラの利点は、主に下記の2点が有名です

 ①カラー版と比べて実効感度が高い
 ②ナローバンド撮影に有利

ただし、「天邪鬼なあぷらなーと」としては、

 カラーフィルタが無いためベイヤー処理が不要であり
 結果としてベイヤー処理に伴う解像度の低下が無い

にこだわってしまう訳ですね・・・・・



そのズバ抜けた解像度を活かすためにビームスプリッタ装置などを自作したわけですが、
VMC260L+ビームスプリッタを用いた実際の運用では、「思ったほど解像度が上がらない」のですね。



★リアルタイムだと天体の像はどんな感じなの?

先日のM33の撮影後、薄明の中でオリオン座が上ってきたので、シーイングや架台の微少なエラーによって、「実際の像がどのような動きをしているか」動画でチェックしてみることに。

ASI1600MM-COOLをゲイン400、露光1/10秒で16bitRAWのSER動画撮影してみました。
追尾は、K-ASTEC改造Newアトラクスのノータッチガイドです。

見やすいように後から(画像処理で)ゲインを上げて、トラペジウム付近をピクセル等倍で観察してみます。
すると約1秒間のリアルタイム挙動は、こんな感じだと分かりました。(あくまで一例です)

f0346040_15264372.gif
ああ、なるほど!
たった1秒間でもこんなに「踊りまくっている」のですねぇ。

これじゃあ、いくら
「ラッキーイメージングだ~!!」
と言って1秒や2秒に露光を切り詰めたところで、ブレは止まりません
「オートガイドだー!!」
と言って、オートガイダーで追尾補正しても、ガイド信号のインターバルや補正動作までのタイムラグがあるので追い切れる訳がないわけです。


★残る手段は・・・・

シーイングの悪い日本では、1秒間に数回~数十回の補正を加えられる「補償光学系」(いわゆるAO装置)を併用しない限り、VMC260Lの様な長焦点望遠鏡にモノクロCMOSカメラは、「猫に小判」なのかもしれませんね。


★補足

今回の「考察ごっこ」で、リアルタイム画像を観察してみて、気づいたことがあります。先ほどの動画を見ると分かるのですが、画面全体に散らばる「ザラザラノイズ」には何種類かあります。

 ①完全にランダムな周期で色んな所に現れるが、その頻度は明らかに背景の星雲の分布に対応している輝点

 ②背景の星雲の揺れ(ブレ)とは無関係で、同じ画素のみで短周期で点滅している輝点

 ③背景の星雲の輝度分布とは無関係で、突発的に現れる輝点

①は(その揺らぎはともかくとして)大切な輝点ですね。
要するに、貴重な星雲の構成要素であってノイズのように見えるのは錯覚です。これが、画像処理で消してはいけない「ショットノイズ」と考えられます。実際に星雲から到来した個々のフォトンを捉えたものと解釈しても良いでしょうね。これを大切に蓄積することで『点描画』のように、徐々に星雲の姿が現れてきます。

②は典型的なダークノイズ(いわゆるホットピクセル)ですね。
ただ、今回気づいたのですが、短時間露光でもコレちゃんと出てますね。意外だったのは「灯きっぱなし」ではなく、ダークノイズの輝点って結構「点滅」してるんですね。それらが蓄積して『均される』長時間露光と異なり、短時間露光ではダークファイルの減算って、難しそうです。

③これは厄介そうです。
撮像素子への二次宇宙線素粒子のダイレクトヒットはもちろんですが、意外にも、なんだか素子上を蠢くように移動している輝点も観察されましたので、系統的な除去って無理そうです。さすがにコレばかりはシグマクリップなどを利用するしか手が無いかも。(でもシグマクリップって時間掛かるんだよなぁ。ステライメージ6.5なら普通の基準点指定のコンポジットは300枚でも1分程度の爆速で完了しますが、ためしにシグマクリップしてみたら、300枚コンポジットに3時間!!・・・こんなんガマンできんよ~)


以上、「2夜連続でニワトリできそう」だと、赤道儀一式を庭に「出しっぱ」にしてワクワクしてたら、曇られてしまい意気消沈している あぷらなーとでした。


by supernova1987a | 2017-08-21 16:30 | 天体望遠鏡 | Comments(4)

ビームスプリッタでM33を撮る

★お仕事から帰ると快晴じゃないか!

前回星雲星団を撮影したのは5月のこと。
いつの間にか数ヶ月のブランクが空いちゃいました。

このままブランクが長くなるかと思いきや、帰宅すると晴れてるじゃないですか。
しかも、透明度は良くないものの天頂付近のシーイングが良さそう♪
ここは、頑張って『ニワトリ』せなあかんでしょー!

・・・と言うわけで


★(本当に)久しぶりのVMC260L出撃!!

しばらく電源を入れてなかったので動くかどうか不安ですが、
 K-ASTEC改造アトラクス + VMC260L + ビームスプリッタ装置 + ASI1600MM-COOL + ASI1600MC-COOL + 自作レデューサ + LPS-D1フィルタという装備で、天頂付近のM33銀河を狙ってみることに。

ただし、思い立ったのが午前2時頃で、薄明まであんまり時間が無いので、
 ・極軸は極望目視のみ
 ・追尾はノータッチガイドガイド
 ・ビームスプリッタでMCとMMを同時露光
 ・ゲイン300+20秒露光の多数枚コンポジット
という手抜き撮影(・・・ていうか、最近いつも手抜きになってるけど)で、「細かいことは後からなんとかする」方針で行きます。



★やっぱビームスプリッタはVMC260Lに似合うなぁ

f0346040_13184480.jpg
 モノクロCMOSカメラとカラーCMOSカメラを同時露光するために自作した「ビームスプリッタ装置」ですが、カメラを2台載っけると結構な重量で、天頂付近を撮影するなら、シュミカセやVMC260Lのような主鏡移動式の接眼部が(ずり下がらないので)安心ですね。

f0346040_13235919.jpg
 ようやくスタンバイできたのは、午前3時!
 きゃー!
 あと1時間で薄明~!
 慌てて撮影開始します。



★とりあえず、素材は揃いました

 なにしろ、ただでさえ約F8の暗い望遠鏡の上に、スプリッタで光量が半分になってて、しかもたったの20秒露光ですからねぇ。
 撮って出しだと、こんな感じです。

 ASI1600MC-COOLの撮って出し画像
f0346040_13304824.jpg

 ASI1600MM-COOLの撮って出し画像
f0346040_13311837.jpg
ははは。心眼で見ないと一体何が写ってるのかすら分かりませんね(笑)



★MCとMMそれぞれ180コマをコンポジット

 ダークを引いた画像180コマをそれぞれコンポジットしてからレベルを調整してみます。

 MCの画像180コマのコンポジット
f0346040_13371453.jpg

 MMの画像180コマのコンポジット
f0346040_13374344.jpg
おお!ちゃんとM33の全貌が見えてきましたよ♪
光害カットフィルタを使った市街地の撮影ですが、赤い星雲が点在するのも分かりますね。
周辺減光が醜いですが・・・まあ、フラット撮影してませんし、見なかったことにします。
どうせ最後にトリミングするしねぇ・・・(笑)。


 MCとMMの画像比較
f0346040_13392671.jpg
 画像の中心部を200%で表示したものです。左のMCに対して、右のMMの方がノイズが少なく見えます。
正確には、機材に起因するノイズではなくて、天体から到来するフォトンの粒のバラツキを捉えた『ショットノイズ』だと思うのですが、MCの方はショットノイズがベイヤー処理されることにより肥大化したとも解釈できますね。

※ショットノイズとベイヤー処理に関する『考察ごっこ』はこちら↓をご参照ください♪



★いよいよLRGB合成してみる

 MMで撮ったL画像とMCで撮ったRGB画像をLRGB合成してみます。

f0346040_13535079.jpg
 左がMCの画像。右がLRGB合成した画像です。
 うむ。なかなか良い感じ♪


★あとは『秘術』の限りを尽くして

・・・というほどのものでは無いですが、今回は露光量が少なかったので(ホントは3時間の総露光したかった・・・)、『得意の』最大エントロピーやウェーブレット処理はパスしまして、もっぱら、ステライメージのLab色彩調整+シルキーピクスのテイスト調整+NikCollectionで仕上げていきます。

・・・すると・・・




ででん!!

f0346040_13580668.jpg

一応、『自己ベスト』のM33銀河が撮れましたよ~♪

めでたい


by supernova1987a | 2017-08-20 14:05 | 天体写真 | Comments(10)

ビームスプリッタで大赤斑を撮る

★久々に晴れたので・・・

お仕事が立て込んでいた日曜日だったのですが、良い天気だったので帰宅後すぐにニワトリ開始することに。
空はどんよりしていて北極星が目視できない状態でしたが、なんとなくシーイングが良さそう♪

早速、VMC260Lにビームスプリット装置を装着して、ASI1600MC-COOLとMM-COOLの同時露光で木星を狙うことにしました。

今回は、ビームスプリッターにADC(大気差補正装置)とIR/UVカットフィルタとショートエクステンダーメタルを加えて撮影してみます。


★SERファイルの1コマキャプチャ
f0346040_09121856.jpg
 ※左:MCの1コマキャプチャ 右:MMの1コマキャプチャ
  (MCはビームスプリッタの影響で鏡像になっています。)

最近ご無沙汰していた大赤班がちょうど良いところにありました。
しかも、画像処理前の動画を再生しただけでも、いつもよりもシーイングが良いことがうかがえます。
さっそくAutoStackert!2で1000コマスタックしてみます。

★MCとMMで同時露光した各1000コマのスタック
f0346040_09162484.jpg
 ※左:MCの1000コマスタック 右:MMの1000コマスタック
  (MCは左右反転処理しました。)

ぐっと滑らかになり色んな模様が見えてきました♪
では、レジスタックスに回してウェーブレット処理してみましょう。
これは期待できそうで、ワクワクします。


★MCとMMのウェーブレット処理画像
f0346040_09190808.jpg
 ※左:MC 右:MM
 
おお。細かい模様がウジャウジャ現れてきましたよ。
良い感じです♪
若干ですがMMの方がシャープに見えますが、それほど差はありません。
いつもよりはシーイングが良いとはいえ、木星像はユラユラしていましたのでベイヤー処理の弊害が見えにくいのでしょうね。


★LRGB合成して仕上げます

f0346040_09215958.jpg
 ※左:MC単独 右:MMのL画像とMCのRGB画像のLRGB合成

大きな差では無いですが、明らかにLRGB合成した画像の方が解像感が高いですね♪


★シルキーピクスで微調整して完成
f0346040_09241028.jpg
うむ。
一応自己ベストの木星像ですなぁ。
ベテランの方の解像度には及びませんが、ここまでくると、あとはシーイングの問題ですね。


★気にすべきかどうか微妙ですが

そういえば、素のVMCもビームスプリット装置込のVMCも、一体どれくらいシャープなのかは検証したことがありませんでした。
機会があれば『検証ごっこ』してみたいのですが、あいにくフーコーテスターもロンキーテスターも持ってないので、もしやるとすればハルトマンテストか焦点内外像テストくらいしか思いつきません。

というわけで、撤収前に焦点内外像を(テキトーに)撮影してみました。

f0346040_09405657.jpg
 すみません。どっちが焦点内像でどっちが焦点外像か忘れてしまいましたが、とにかく「非対称」であることだけはハッキリと分かりました。
ちなみに、この像はADCやらビームスプリッタやらエクステンダーやらが途中に入ってきている状態(要するに、上記の木星を撮影した条件)で撮影したので、複合的に収差が出ているんだと思いますが、はあー。『ダメな望遠鏡の見本』にような非対称性ですねぇ。
さらに奇妙なことには、たいていの『ダメ望遠鏡』は、回折リングの間隔が「徐々に」広がっていくか「徐々に」狭まっていくかのどちらかだと思っていたのですが、なんかある一定の輪体に達すると急激に悪くなっているような感じで「気色悪い」。
 でも、ある程度のレベルまでは惑星も写せるし、望遠鏡の収差よりも小さなシーイングには出会ったことが無いことだし、ま、いっかー。
あ、そうだ!
「内外像ともに「同心円」にはなってるので、光軸がバッチリ合っていることが確かめらた」
ということにしておこう(笑)。

(『超絶良シーイング』に遭遇したときに「泣きを見そう」な気がしないでもないけれど・・・・・。)

 あの・・・み、皆さんの望遠鏡って、焦点内外像がちゃんと「対称」になってます???

<補足>
カメラのレンズなら、上記の写真のうち左の状態が「二線ボケ」で右の状態が「芯のある柔らかなボケ」ということになって、前ボケか後ボケのどちらが良好という点で『個性(味)』として評価されますが、望遠鏡の場合は「ボケ味」は評価対象外なので内外像が完全に一致するのが理想(球面収差が無い)ですよねぇ・・・。

<参考>
ニコンの60mmマクロはボケ傾向が真逆となる2機種↓が併売されていて「好みで選べたり」しますが、ねぇ・・・・


by supernova1987a | 2017-05-22 09:53 | 天体写真 | Comments(8)


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