あぷらなーと


あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
※コメント大歓迎です♪

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ダークノイズ減算の謎①(予告編)

★面倒くさい事を成すには『公言』が一番♪
「ダークノイズが消しきれない件」について、ゴソゴソ『検証ごっこ』していて、「手作業で1ピクセルずつポチポチクリックして輝度を測定してはEXCELに打ち込む」のでは気が変になりそう(笑)だったので、潔く国立天文台が公開しているFITSファイル解析ソフト「マカリ」に手を出しました

・・・といっても、複数ピクセルの輝度を(直線上に並んだピクセルなら)一気にCSVに書き出してくれる機能を利用するだけのことですが。


★公言しよう!
『解析ごっこ』途中であぷらなーとが逃げ出すのを防止するため、あえて公言しておくことにしましょう♪
いやー。調べれば調べるほど『難敵』っぽいっす。このダークノイズとかいう輩。

 たぶん、がんばれば近日中に下記のような謎について暫定的結論が出せそう・・・かな?

謎①:「ダークノイズには2種類ある?」
謎②:「ホットピクセルって灯きっぱなしじゃないの?」
謎③:「従来のダーク減算で消しきれないノイズは如何ほど?」
謎④:「手動ダーク減算してもダークノイズが残るのはなぜ?」
謎⑤:「ダークを引くとかえってノイズが増える説の真相は?」
謎⑥:「ダークフレームって何コマぐらい必要なの?」
謎⑦:「従来のダーク減算でもうまく作用することがあるのは何故?」

・・・で目標としては
目標①:現実的なダークファイル使い回し法を確立するぞー♪
目標②:オートガイド無しでなんとかするぞー♪
目標③:長時間露光無しでなんとかするぞー♪
目標④:ディザリング無しでなんとかするぞー♪
目標⑤:σクリップ無しでなんとかするぞー♪
を実現しようっていう『遊び』

わははは。
まさに『邪道の極み』



★本当に『解析ごっこ』進めてますよー(笑)
まだ詳細には言及できないけれど、上記の「謎①」「謎②」の『考察ごっこ』のためにやってる作業途中の絵を恐る恐る公開してみると・・・
f0346040_05381082.jpg
冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLを撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒で運用した際のダークフレームについて、32個のピクセルについて64コマ分のデータから「各ピクセルのダークノイズがどう分布してるのか」をスキャッタプロットしたのがのグラフ。その結果からノイズの揺らぎ(標準偏差)を求めてノイズの推定輝度を誤差棒付きで表示したのがのグラフ。

この作業だけでも(ザックリと言えば)
 ☆No4のピクセルはホットピクセルっぽい
 ☆No14は一見ホットピクセルに見えるけど統計的有意性がないっぽい
 ☆No21とNo29はクールピクセルかもしれない
 ☆その他のピクセルは『正常』で、ダークノイズがランダムっぽい
とか、色々と面白そうな推論が出てくる訳ですねー。

しかし、これ・・・・冷却CCD全盛時代に長時間露光の試行を元に編み出された(と思われる)各種のノウハウは、冷却CMOS(とか近年のデジタル一眼)を用いた短時間露光+多数枚コンポジットでは根本的に通用しない『気』がしてきた。「ダーク減算」って難しいぞって印象。

ぬう・・・
ダークノイズとやら
敵として不足なしっ!

P.S.
ああ、もう誤差棒とか使ったのって20年ぶりだよ・・・。
若い頃にもう少し勉強(記憶が残る程度まで)しとくんだった(涙)。
そもそも「ライトフレーム上に載ったノイズ」と「ダークフレーム」は別標本なので、検定しないといけないんだろうけど。
あ、現役エンジニアの方とか研究者の方とかは鼻で笑っておられるでしょうが、謎解き遊び自体が楽しいので、まだ『答え』言っちゃダメ、絶対!(笑)


by supernova1987a | 2018-10-18 07:21 | 機材考案 | Comments(9)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体②

★先日のエントリーで書いた『不快感』
最近、なんか「ダークファイル補正してもダークノイズって消しきれないよなぁ」と不思議に思ってた件について、自動ダークファイル補正処理に頼らず手動で減算処理すると結構キレイにダークノイズが消えることを見つけたんだけど・・・

直感的に「平均値の差分」と「差分の平均値」が一致してないのが原因ではないかと感じたので、少し『検証ごっこ』してみることに。



★コードを書いてるヒマはないので・・・
ええ、本来ならいつぞやDelphiで書いたFITSファイル簡易解析コードを改修して一気に統計処理すれば良いんだけれど、あのコードあまりに読み込みが遅いのでC#で書き直そうと思いつつ、まだ着手できてないという・・・(汗)。
でも、今回の件が気になって仕方ないので・・・・

・・・ええい!
こうなったら手動で解析してやるわっ!
f0346040_17164610.jpg
はい。
ダークファイル16コマを全部開いて、特定のピクセルをG1・R・B・G2それぞれのチャンネルから1匹選んで、手作業で輝度変化を調べる・・・という力技を敢行。

これを
 ①:ダークフレームそのもの
 ②:①をコンポジットして作ったダークファイル
 ③:①にダーク補正を加えたもの
 ④:③のコンポジット
それぞれについて調査するっていう、気の長い作業。

ああー面倒くさいなあ。
なんだか、昔の放射線乾板解析をしている宇宙線物理学者になったような気分(笑)

・・・で、例えばこんなふうに整理
f0346040_17353528.jpg
分かります?
要するに、ステライメージ6.5の自動ダーク補正(ファイル読み込んでダークファイルとの減算を一気にやってくれるヤツ)だと、「補正後に負の値になったピクセルデータがカットされてる」んですね。
上の図の補正後輝度値を平均したものが実際の「ダーク減算後に加算平均コンポジットした画像」におけるダークノイズとなるわけだけど、このロジックで行くとダークファイルの値(ダークノイズの平均値)よりも小さなノイズを持つピクセルがサチったようになって、コンポジット時に加味されない・・・・と。
これは定性的には「ダークノイズが取り切れない」方向に作用するので、結果としてダークノイズが残っちゃうんですね。

ちなみに他のチャンネルについても、同様の傾向。
f0346040_17573216.jpg
本来各コマのダークノイズ輝度は揺らぎますから、その平均値であるダークファイルを減算すると0を中心として正負各方向にばらつくハズなのですが、そのうち負の方向に分布したデータがバッサリ切られちゃってるわけですね。
f0346040_18064798.jpg
それぞれグラフにすると、こんな感じです。
f0346040_18191056.jpg

★補正前と補正後の輝度値の相関
では、ダーク補正の前後で輝度値がどのように変化しているかをスキャッタープロットして整理してみましょう。

すると・・・

ででん!
f0346040_18384343.jpg

このように自動ダークファイル補正では、ダークファイル減算の前後でダークノイズの平均値をスレッショルド(閾値)としてリニアリティ(線形性)が崩れていることが分かります。これじゃそもそもダークノイズが消える訳がないじゃん!(膨大な量のライトフレームをコンポジットすればこの影響は多少緩和されますが、それでも固定ノイズは原理上取り切れないはず)

※実際にはライトフレームのバックグラウンドがダークノイズの揺らぎを『受け止める』ほど明るければ問題ありませんので、長時間露光した場合は影響が減るかも知れません。
※ダークファイル中のダークノイズの揺らぎはダークファイルを作成する際のコンポジット枚数によっても小さくなりますので、十分な量のコンポジットをしておくことは大前提でしょうね。

これを防ぐためには・・・・
前回のエントリーで試みたように、手動でダーク減算処理をワークフローに保存してバッチ処理するか、撮影時に(ダーク減算で負の値が生じないように)輝度データの底上げをするかの必要がありそうです。

不覚っ!
・・・ディザリングとかに初挑戦する前に、すべきことがあった・・・か。

え?
ひ、ひょっとして・・・
撮影時のオフセット設定(固定輝度値加算)とか、この現象の回避のためだったりして、実は常識なの??


PS
すっきりしたけど、ある意味ショック。今まで何やってたんだろ・・・ボク。
むうー。しかし・・・なんだ、このデジャブは??

ああ、そうだ。たしか、学生時代に複数のワークステーション使って大気原子の破砕シミュレーションをやっていた時に、なぜか特定の機体だけ演算が無限ループに陥っていて悶絶。泣きながら調べて見るとIEEE754規格でいうところの非数処理仕様がCPUの種類によって異なってたのを発見した時、ちょうどこんな感じのショックを受けたっけなあ・・・。(0を0で割ったときに、非数とするか、1とするか、0とするかっていうやつ・・・)


by supernova1987a | 2018-10-07 19:02 | 天体写真 | Comments(8)

ディザリングはなぜ「効く」のか?

★結局、ディザリングに勝るもの無し?
お恥ずかしながら、ディザリングはおろかオートガイドすらほとんど経験の無い「ひよっこ」あぷらなーとなのですが。ディザリングって不思議なんですよねぇ。

ええ、固定位置に居座るホットピクセルやクールピクセルを『散らす』ことによって希釈するのがディザリングだというのは理解しているつもりですよー。
でも考えてみると「ピリオディックモーションをあえて補正しないノータッチガイド」とか「極軸を少しズラしてノータッチガイド」で短時間露光したコマを多数枚コンポジットしても固定ノイズは『散る』はずだと考えるとなんだか訳が分からなくなりませんか??

・・・と言うわけで、今回はディザリングについて『考察ごっこ』してみることに



★まずは、論より証拠
ま、本来はここで実際にディザリングの有無をテスト撮影するべきなんでしょうが、ディザリングってやったことないんですよー。
でも、原理は理解しているつもりなので、シミュレーションしてみようじゃないか

素材はASI1600MC-COOLで撮影したダークファイルに決定。ゲイン400で15秒露光したダークファイルを20コマ用いて実験。
ノータッチガイドやディザリングで被写体のみが動いた結果、本来固定位置で発生するダークノイズが流れるはずなので、これを再現してみようじゃないかという遊びです。

f0346040_00053916.jpg
想定したモデルは上の図の通り。
20コマのダークファイルをコンポジットする際に、その位置合わせをコマごとにズラしていくという方法です。

すると・・・

f0346040_00071428.jpg
 ※左:①シフトなし 中:②追尾エラー再現型 右:③ディザリング再現型

①「シフトなし」について
 固定位置でコンポジットしたものです。普通のダークノイズ(いわゆるホットピクセル)が観察されますね。
②「追尾エラー再現型」について
 ピリオディックモーションの大きな赤道儀で短時間露光ノータッチガイドを行い、コンポジット時に被写体に合わせた位置合わせを行うというシミュレーションです。見事な『縮緬ノイズ』が再現されましたね。
③「ディザリング再現型」について
 ディザリングの1方法であるスネーク型の駆動を行った結果をシミュレーションしたものです。この3種の中では最もノイズが目立たないことが分かります。




★被写体の画像と合わせるとどうなる?
では次に、ノイズが目立たない素材(先日再処理したM42)にシミュレーションしたノイズを加算してみます。
これは同じ被写体を3種類の方法で撮影し、それぞれコンポジットすることに相当します。

すると・・・

ででん!
f0346040_00311387.jpg
 ※左:①シフトなし 中:②追尾エラー再現型 右:③ディザリング再現型

うむ。予想通りのイメージが再現できたぞ♪
 ①は完璧な精度でノータッチガイドした場合
 ②はノータッチガイドした場合
 ③はディザリングした場合
にそれぞれ相当しますね。
やはり、ノイズが取り切れないカメラの場合にはディザリングの効果は大きいようです。




★でもどうしてそうなるの?
さて、ここで疑問が生じます。
だって、不思議じゃないですか?
①はともかく、②と③はノイズの輝点が「動いた道のり」が等しいので、原理的には全く同等の希釈がなされたはずなのです。
でも、全く結果が異なる・・・と。

そこで、ちょっとこの図を見てください。
f0346040_00381762.jpg
左の図は固定ノイズの模式図で、全てのノイズが固定されている場合です。それに対して右の図は全てのノイズがランダムノイズだった場合の模式図で、ノイズから生じる総電子数が等しくても各ピクセル位置でそれが累積されるかどうかでその濃度が異なることを示しています。要するに、コンポジットもしくは長時間露光でランダムノイズが減少する原理ですね。

さて、固定ノイズを伴うカメラで短時間露光のノータッチガイドした場合はどうなるでしょうか。
f0346040_00413818.jpg
極軸エラーやピリオディックモーションの効果で、(被写体に位置合わせをすると)固定ノイズが移動して写る事になります。
これが『縮緬ノイズ』ですね。ノイズ自体は薄まったのに非常に不愉快な写真になります。

では、尾を引くように流れるのがダメなのかというと、そうではなくて
f0346040_00443464.jpg
もしも、このようにノイズの流れが「縞目状」だと、そんなに不快感を感じませんよね?

ディザリングも同様で、
f0346040_00455160.jpg
直線上に流れるよりも渦巻き状(あるいは格子状)に流れた方が不快感が少ないのですね。

要するに、ディザリングはノータッチガイドに比べてノイズが軽減された訳ではなく、写真を見る人の違和感を軽減する方向に作用するという解釈です。




★違和感(不快感)の正体は何なのだ?
ところで、物理学にはエントロピーという概念があります。その定義は色々なのですが、概ね『乱雑さ』を表すパラメータだと解釈していいと思います。
個人的には「エントロピーは状態数の対数に比例するもので、言わば『確率』のようなもの」と解釈しています。つまり、ありふれた状態・頻発する現象は「エントロピーが大きい」と表現でき、特殊な状態・レアな現象は「エントロピーが小さい」と表現できるわけです。

ところが、ここで問題となるのは「何をもって『特殊』と判断されるか」です。例えば、こんなケースはどうでしょう?
 太郎くん「おい聞いてくれよ!俺、『あぷらなーとクジ』で一等100万円が当たったんだ。」
 花子さん「ええっ!マジで?そのクジ見せてよー。」
 太郎くん「見ろ、33組の3333番だ。」
 花子さん「もう、そんなバカなー。そんな番号が当たるはずないでしょーが!」
数学の確率で出てきそうなお話ですが、たとえ「23組の1764番」であろうと「33組の3333番」であろうと、当たる確率は同じはずです。(そうでないと、インチキ抽選です。)
でも、心情的には「33組の3333番」が当たりって『気色悪い』ですよね。
あぷらなーとは、これを『心理的エントロピー』または『主観的エントロピー』と呼んでいます。

つまり無機質な観測者(コンピュータやセンサーなど)から見ると同じ確率(等しいエントロピー)であっても、人間から見るとそうではないケースが多々あるということです。これは人間個人の個性によっても変動する現象です。
たとえば、
「0のカード×1枚、2のカード×3枚、3のカード×2枚、4のカード×5枚、7のカード×1枚、8のカード×1枚」
があって、それをシャッフルして並べてみると「4243434202478」という順に並んだとします。
それを見ている人が一般人なら「普通のケース」(エントロピーが大きい)に見えるでしょうが、我々アマチュア天文家なら
「貴様!なにか細工しただろう?オリオン座大星雲・馬頭星雲・燃える木星雲・ウルトラの星・・・ってオリオン座の名所が並んでるなんて話がうますぎるぞ」
『違和感』(エントロピーの小ささ)を感じるかもしれません。

話をノイズに戻します。
下記の画像を見てください。
「上下が一致していない画像は左・中・右のどの列でしょう?」
f0346040_01304016.jpg
恐らく、ほとんどの人は左の列の上下が異なることはハッキリと認識できたはずです。だって2本だけ線が横倒しになってますもの。目立ちますよね。少し注視すれば真ん中の列も模様が異なることに気づきます。それに対して、右の列は一見同じに見えます。
でも実は3列とも同じ数のピクセルを別な場所に移動させているのです。
「ノイズとはランダムであるはず」という先入観から、その配列が「キレイすぎる」ノイズは『心理的エントロピーの低下』すなわち心理的な違和感を生みます。縮緬ノイズが持つ『違和感』の正体はこれだと考えられないでしょうか。それに対して、ディザリングはノイズ配置のランダム性を殺さないようにその濃度だけを希釈する作用を持ちますので『心理的エントロピーの低下』を招きません。何気ない風景の中に人の顔状のパターンを見出してしまう「シミュラクラ現象」(心霊写真とか火星の人面岩とか)と同様、「自然現象っぽさ」を鑑賞者に与えるノイズ以外は嫌われるのかもしれませんね。

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うむー。
やはり、ディザリングって偉大なんだなぁ。

あぷらなーとの撮影環境だとディザリングできないけど(笑)。
だってー、多連装・複数カメラでディザリングする方法って思いつかないよぉ・・・
やはり、ここは『くるりんぱ撮法』開発プロジェクトを進めるしかないか・・・・。


★★★お約束★★★
①『心理的エントロピー』『主観的エントロピー』は単にあぷらなーとの造語です。
②各ノイズの模式図は適当に描いたので雰囲気程度に捉えてください。
③ディザリングのみを賞賛する意図はありません。恐らく、撮影対象の明るさ・ダークノイズ量・撮影コマ数の組み合わせによって、「ダーク減算やホットピクセル除去処理」と「ディザリング」のどちらが効いてくるかの閾値がありそうな予感がします。
④現在のあぷらなーとは数式処理能力が著しく劣化してるので正確な議論はご容赦ください。今回の文字ばかりの記事を書くにも(20数年前の記憶を忘却の沼からサルベージするため)教科書(キッテルの熱物理学)を読み返す始末です。
⑤20数年ぶりに読んだが、キッテルは良い♪


by supernova1987a | 2018-10-02 07:52 | 天体写真 | Comments(16)

デジタル一眼と冷却CMOSカメラのダークノイズ

★前回のエントリーで・・・
お気に入りの改造D5000は結構ノイズが少なくて、非冷却でも明るい天体ならまだまだ現役なんだけど、冷却CMOSカメラと比べちゃうと、そもそもダークノイズの出方が気色悪くて画像処理に難儀しそうなことが分かります。

実際はダーク減算処理などで相当分が軽減されるはずですが、今回はその『気色悪さ』を見てみることに。


★100枚コンポジットした後のダークノイズ
改造D5000についてISO3200・20秒露光を暗所で行ったダークファイル100枚を位置合わせ無しでコンポジットして、見やすいようにレベルを0-2500まで切り詰めた物がこちら。
f0346040_20152875.jpg
 ※左:ノートリミング 右:400%まで拡大したもの
 どちらもベイヤー画像(デモザイク前)

100枚もコンポジットしてますから、いわゆるショットノイズなどランダムノイズ系の統計的揺らぎは相当軽減されているはずなのですが、この現状です。
ね?『気色悪い』でしょ??

では、これをデモザイク(ディベイヤー)してカラー現像してみます。
すると・・・
f0346040_20200116.jpg
 ※左:ノートリミング 右:400%まで拡大したもの
 どちらもデモザイク後

ベイヤー画像のデモザイク処理に伴う「想定されるボケ」以上に盛大なモヤモヤが出ることが分かりますね。

ちなみに、前回載せた比較画像では1コマ画像のノイズを比較していたので、D5000のダークファイル1コマの画像と比較してみます。
f0346040_20324630.jpg
 ※左:1コマ画像を400%まで拡大 右:100コマコンポジット後に400%まで拡大したもの
 どちらもデモザイク後

はい。ちょうど前回の画像に出ていたようなチリチリとしたノイズとモヤモヤとしたノイズが1コマ画像には出ていることが分かります。コンポジットすることでこの傾向は緩和されますが、それでも後述の冷却CMOSカメラに比べると格段に『汚い』のですよー。ちなみに、1コマの方は色が出にくい傾向にあるのが謎ではあるのですが、とりあえずD5000の場合は大きめ(明るめではなく)のダークノイズが発生しているということですね。



★冷却CMOSカメラの威力?
ところが、これが冷却CMOSカメラになると事情が一変します。
まあ、下の画像を見てください。
f0346040_20380005.jpg
 ※左:改造D5000のダークノイズ 右:ASI1600MC-COOLのダークノイズ(-15℃)
 どちらも100コマコンポジットしたデモザイク前のベイヤー画像を400%まで拡大したもの

f0346040_20402561.jpg
 ※左:改造D5000のダークノイズ 右:ASI1600MC-COOLのダークノイズ(-15℃)
 どちらも100コマコンポジットした後デモザイクしたカラー画像を400%まで拡大したもの

どうです?冷却の効果はもちろんなのですが、ASI1600MCの方は、いかにも「ダークノイズです」って感じでホットピクセル除去フィルタなどが効きやすそうな面相ですよねぇ。それに比べてD5000は・・・・こんなんフィルタ処理では弁別できねーよって感じ
ま、だからこそD5000の場合はダーク減算処理は必須なんでしょうけれど、
これって・・・・
 ①冷却・非冷却の違い?
 ②センサーの仕様の違い?
 ③カメラ内部の(画像処理エンジンの)処理の有無?
一体どれが効いてきてるんでしょうね?

ASI1600系の冷却CMOSカメラにクールピクセル(黒点状のノイズ)が目立つのは、ある意味「そのほかのノイズが少ない」あるいは「画像処理エンジンが変なことをしていない」からなのかも知れませんね。

えっ?
「とっととASI1600MC-COOLを冷却せずに調べたら①の疑問は解決するんじゃね?」
ですか?

う、うん。その通り。
でも・・・ええと・・・とりあえずD5000でもダークを引いてコンポジットすれば明るい星雲は写せますし、他に取り組んでるプロジェクトが多々ありまして、正直手が足りません(涙)


by supernova1987a | 2018-10-01 06:23 | 機材 | Comments(5)

人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?③

★どうせ晴れないなら・・・・
どうも最近天気が思わしくありません。観測タイムが取れそうな時に限って雨か曇り(涙)。
しかたがないので、「先日来悩んでいる件」を少し進展させることにしました。


★奇妙なゴーストのようなもの
前々回の記事にも書いたように・・・・

ミニBORG60ED+ASI1600MM-Coolの組み合わせで合焦位置から少し内側にずらして点光源(人工星テスター)を撮影すると「奇妙なゴースト状のもの」が発生することを見つけました。

ナローバンドフィルタを介して撮影するとこんな感じでした。
f0346040_08242295.jpg
 ※OⅢナローバンドフィルタ併用

最初、ピカピカのナローバンドフィルタ表面が悪さをしているのではないかと推測したのです、いざフィルターを外してみると・・・
f0346040_08255306.jpg
 ※ノーフィルタ

・・・こんな有様で、ノーフィルタだとかえって悪化するという始末。
この2枚の比較と、焦点内像にのみ発生するという特性から、「格子状に配置された撮像素子群が一種の回折格子として機能し、回折光がカメラ内部の保護ガラスに反射して結像しているのではないか」と推測しました。

お恥ずかしながら光学はちゃんと学んだことがなく、波動光学はかじったことすらない有様なのですが、高校物理レベルの超初歩的考え方で、EXCELくんを使って『シミュレーションごっこ』を・・・。
f0346040_08344392.jpg
はい。
格子状に並んだ撮像素子列(ORその間の溝)が反射型回折格子の溝として機能するという仮定の下で、「ある入射角で白色光が撮像チップに当たると、それがどのように分散して保護ガラスに反射し結像するか」のどんぶり勘定です。

対物レンズから収束する波面の位相を考慮していなかったり、焦点からのデフォーカス量を考慮していなかったり・・・と、光学にお詳しい方に見られると突っ込みどころ満載なのですが、その辺はいずれそのうち勉強しながら・・・ということでお見逃しを(笑)。ええと・・・まだどんぶり勘定なので、考え方とか数式とか定量的な推算値などへの言及はできません。

いいんです。
とりあえず、この仮定の下でスパイク状の像が生じるとすれば、「内側から順に青→緑→赤という順番でグラデーションが生じるはず」ということを計算してみたかっただけですので・・・。



★今度はカラーカメラで試してみる
例の記事でも書いたように、回折による分散が生じているのであれば、カラーカメラで撮影しておくべきだったんですよねぇ。モノクロカメラでは色が分かりませんので『検証ごっこ』のしようがありませんもの・・・。

・・・・というわけで
ミニBORG60ED再び屋内で出撃♪
f0346040_08555236.jpg
 ※実際の撮影は真夜中に行ってます。

先日ポチった簡易人工星テスターは色々な直径のピンホールが5つ開いているのですが、それぞれの回折像が重なると見にくいので、付属のマスクを取り付けてピンホールが1つだけの状態にしました。
f0346040_08585625.jpg
このマスクは磁石でできているので、ピンホール板にペチャっと張り付けるだけで調整できます。

では、冷却カラーCMOSカメラASI1600MC-COOLをミニBORG60EDに取り付けて『検証ごっこ』開始です♪



★回折像にピントが来るように調整すると
f0346040_09022674.jpg
 ※左:ゲイン300・0.03秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

で、出たぁー

きれいな同心円状の焦点内像(写真左)が得られるピント位置ですが、ピントを変えず露光だけを伸ばしてみると右のようにスパイク上の光芒が多数生じていることが確認できます。
色の順番は内側から順に「青→緑→赤」・・・うむ。予想通りだ♪

では、ここから少しずつ合焦位置にずらしていきます。


★少し焦点に近づけると
f0346040_09110936.jpg
 ※左:ゲイン300・0.02秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

本来の像(人工星の像)がシャープになった代わりにスパイク上の光芒は薄れましたね。

さらに焦点に近づけてみます。


★焦点位置よりも少しだけ内側だと
f0346040_09135662.jpg
 ※左:ゲイン300・0.0035秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

人工星はかなりシャープになり、ピンホール板と遮光マスクが見えますね。
スパイク状の光芒はかなり薄れてほとんど視認できません。

・・・が
気のせいか「なんかイヤなパターン」が見えてきたような・・・・

ええ、実は今回の『検証ごっこ』は「正体が回折であるらしい」ことを確かめる以外に、「合焦位置(天体にピントを合わせた状態)では変な光芒は出ないか」ということを確認する意図があったのですよぉ。いわゆる『サッポロポテト現象』のようなことは起こらないよね?っていう。

でも・・・・人工星の周囲に変なパターンが出てきたの分かります??

では、いよいよ合焦位置に持ち込みます。


★焦点位置では
f0346040_09225111.jpg
 ※左:ゲイン300・0.00034秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

ぬう?
なんぞ、これ?!
f0346040_09282405.jpg
なんか双曲線と漸近線がセットになったような気色悪いパターンが11時方向と8時方向に出てます。いうなれば『魚の骨みたいな光芒』(笑)

ええー!?
ってことは、きっちりとピント合わせた状態でも明るい恒星の周りには常にこんな『へんてこ光芒群』が写ってるってことに・・・・。ううむ、これは謎が深まるわー。・・・いえ、決して喜んでいるわけでは・・・・(少しあるかも)。



★非対称ってところが厄介
この『双曲線群と漸近線』ですが、上下左右に均等に出てくれてればまだ解釈のしようがあるんですよねぇ。でも「なんで11時方向と8時方向だけなんだよ?」っていう・・・。

犯人説①
 人工星のピンホール付近で生じている現象
犯人説②
 望遠鏡内のどこか(対物レンズとか遮光環とか)で生じた現象
犯人説③
 カメラ内部で生じた現象

うーん。どうしよう?
あ!
これ、カメラだけを90度回してみれば③かどうかが分かるんじゃ?

A:カメラの回転と関係なく像に付随して写る
 →①か②が犯人
B:像と関係なくカメラの回転に追従して動く
 →③が犯人

よし、早速やってみよう♪


★カメラを90度回転させてみると
f0346040_09440751.jpg
げげっ!
意外ッ、全部はずれ
像に付随していないし、カメラにも追従してこない・・・(泣)

ええと・・・・
いや、ちょっとまて・・・。
ああ、ひょっとするとこれ、「スケアリングが出てなくて、カメラを回転させるとボケた回折像どうしの干渉条件が変わる」ってオチ?


★とりあえず暫定的まとめ
焦点の内側から徐々に焦点に近づけた場合、点光源像の周囲に展開する光芒は下記のように変化することが分かりました。
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①大きめの焦点内像の周りには分散を伴うスパイク状の光芒が生じる。
 これは撮像素子列が回折格子として作用した結果生じていると推測。

②スパイク状の光芒は焦点位置に近づくにつれ薄れていくが、焦点位置付近では『魚の骨状』の不可思議な光芒が発生する。
 これはカメラに起因すると思われるが詳細原理は不明。

うーん。
いったい何なんだ、この怪光『魚の骨』は・・・・。

そういえば、最近「あれ?屈折望遠鏡のくせに(スパイダー回折のような)光芒が出てないか?」って悩むことがあったのだけど、今回『検証ごっこ』で見つけた諸々が効いているのかもしれませんね。


★★★お約束★★★
①あぷらなーとは波動光学を学んだ経験がありません。エクセルの画面は『ネタ』だと思ってください。
②スパイク状の光芒が出るのは撮像素子の配列に起因すると思われるので、全てのデジタルカメラに発生可能性があります。
③これ以上の考察&検証は(知識不足で)無理かもしれません(笑)。


by supernova1987a | 2018-09-24 10:22 | 機材 | Comments(9)

クローズアップレンズ転用対物レンズ一斉比較

★本当に『そう』だったっけ?
最近どっぷりとハマっているクローズアップレンズ転用『にせBORG』作りなのですが、ケンコーのクローズアップレンズを用いた場合
 ①シングルレンズタイプは論外
 ②アクロマートタイプは実用になる
 ③ただしACNo3だけは像が甘い
という結論を出していたのですが・・・・

※自分でも「いつぞやの記事に書いたよなぁ」と思いつつ、発掘に手こずっていたところ、なんとHiroponさんが素早く発掘して関連記事にリプライしてくれてました♪Hiroponさん、恐るべし!


さて、ところが今になって思うと
「本当にそうだったのかなぁ?」
などとチョッピリ不安に(笑)。
と言うわけで・・・・


★クローズアップレンズ5種類イッキ比較!
f0346040_19333907.jpg
今回比較するクローズアップレンズは次の種類。
 ①シングルタイプMCNo3(333mm相当)
 ②アクロマートタイプPro1D-ACNo3(333mm相当)
 ③アクロマートタイプACNo2(500mm相当)
 ④アクロマートタイプACNo4(250mm相当)
 ⑤アクロマートタイプACNo5(200mm相当)
これをそれぞれBORGのパーツに組み込んで『にせBORG』に仕立てあげ、昼間の電柱を撮影して比較テストしてみます。
使用するカメラはASI1600MC-COOLです。このカメラは赤外線に感度がありますので、その影響を緩和するためZWO純正のIRカットフィルタを併用してカラー撮影を試みます。



★普通のクローズアップレンズだとこうなる
一般的なクローズアップレンズはシングルレンズ(1枚玉)です。本来の使用用途はカメラのレンズの前に装着して、より近くの被写体にピントが合うようにすることです。言わばカメラ用の老眼鏡ですからシングルレンズでも事足りるわけです。ただし、さすがにシングルレンズを対物レンズとして用いると色収差と球面収差が盛大に発生して、フワフワ・ボケボケの像になります。
f0346040_20043453.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズMCNo3 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

まあ、これはこれで「味がある」描写なので風景写真やお花撮影には使えそうですが、少なくとも天体には不向きですね。
☆注:正確には72mm径を52mm径に変換して用いたので特性が少し異なるかもしれません。(52mm径のシングルNo3は中学生の頃からマクロ撮影に愛用してましたが、いつのまにか紛失・・・)


★ACタイプのNo3になると・・・
ケンコーのクローズアップレンズには先述のシングルレンズタイプの他に、2枚玉のAC(アクロマート)タイプが存在します。
たとえば先ほどと同じ焦点距離333mmのNo3でも、ACタイプだと、こうなります。
f0346040_20115394.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズPro1D-ACNo3 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

ピクセル等倍でシングルタイプと比較すると
f0346040_20132570.jpg
 ※左:シングルNo3 右:ACNo3 100%トリミング

このように色ニジミ・ボケともに相当に改善していることが分かります。
でも・・・天体用としてはまだ甘いんですよねぇ。



★他のACタイプも試写してみる
では、他のタイプについて試写してみましょう。
まずは、焦点距離500mm相当のACNo2
f0346040_20170106.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo2 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

拡大表示するまでもなく、相当に良くなったことが分かりますね。口径が同じでF値が大きくなった訳ですから当然です。

次に、焦点距離250mm相当のACNo4
f0346040_20203264.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo4 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

はじめて対物レンズとして使ったときに仰天したんですよねぇ、これ。
だって、F値が小さくなってシャープさが増すなんて想定しないじゃないですかー。
でも明らかにNo3よりもシャープに見えます。
(厳密には『すこし線が太い』描写なので、解像度が高いというよりはコントラストが高いイメージと言う方が適切かも)

最後に、焦点距離200mm相当のACNo5
f0346040_20164298.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo5 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

これまた意外っ!
F4のアクロマートなのに随分とスッキリとした写りです。

こうなると、やはりACタイプは『No3だけが特別に甘い』という印象ですね。



★ACタイプ4種を比較してみる
では、像の大きさが同じくらいになるように、それぞれの画像の倍率を調整して一気に比較してみます。

すると・・・

ででん!
f0346040_20295760.jpg
 ※左から順に No2・No3・No4・No5

レンズを取っ替え引っ替えしているうちに光線の具合が変化したので厳密に公平な比較とは言えませんが、16ビットRAWのSerファイル64コマをデモザイク+スタックした他は一切画像処理していないので、それぞれの持ち味は分かりますね。

というわけで、『追実験ごっこ』した結論は・・・・
 ①シングルレンズタイプは論外
 ②アクロマートタイプは実用になる
 ③ただしACNo3だけは像が甘い
のままでしたー。

え?
「ナローバンドで撮影してもこの傾向は変わらないのか?」
「人工星テスターで見た焦点内外像はどうなのだ?」
「以前、ハルトマンテストするって公言してなかったか?」
ですと?

ええと・・・・それ全部『検証ごっこ』するのしんどいよぉ・・・。
い・・・いずれそのうちに・・・ね(笑)


★★★お約束★★★
☆今回の『検証ごっこ』は、あくまで「クローズアップレンズを対物レンズとして使う」という『邪道』における結果です。
「本来の接写用途」や「レデューサ代わりの用途」での優劣を表すものではありません。
☆コーティングの性能が良い(と思われる)Pro1D仕様かつACタイプがラインナップされているのはNo3だけなので、レデューサ用途ではNo3を愛用しています。
☆対物レンズそのものが甘く思えても、レジスタックスのウェーブレットやステライメージの最大エントロピー法を用いることで解像感は改善できます。
※例を2つ示します。
①「カラー画像をモノクロ化したものにウエーブレットしてLに。元画像をRGBとして、LRGB合成」を用いると下のように大幅な改善が見られます。
f0346040_23220455.jpg
 左:Pro1D-ACNo3による元画像 右:ウエーブレット後にLRGB合成したもの

②「カラー画像をRGBそれぞれに分解して、それぞれに最大エントロピー法を(半径を変えながら)各3回実施し、最後にRGB合成」を用いても下のようにかなりシャープになります。
f0346040_23422487.jpg
 左:Pro1D-ACNo3による元画像 右:RGBそれぞれに最大エントロピー法で処理した後にRGB合成したもの


by supernova1987a | 2018-09-16 20:45 | 機材 | Comments(8)

天文復帰への道(GPDまで行きたい)

★『今』できることを

怪我(肩腱板断裂)したものは仕方ないし、右腕が動くようになる(予定の)来年の夏までは無理は禁物。でも、本当にこの状態での天体観測は不可能なのか?



★健康な左腕の強化

とりあえず、右腕は一眼レフ1機すら持ち上がらない状態。手首から先は動くけれど腕は伸ばせない。反面、健康な左腕は密かに実施していたトレーニングの成果で、お箸もマウスもキーボードも自由自在に使えるまで向上。荷物も片腕で15kgまでなら比較的安全に運搬できることを確認。

となると・・・

「ビクセンGPDを片手で運用できるようにする」のが今回の目標



★まずは足下整備♪

怪我する前からどうも赤道儀の極軸設定が安定してなかったんだけど、地面への三脚めり込みも一因かも知れないですね。
スカイメモなら大丈夫だけど、GPD以上だと柔らかい赤土のままでは限界が・・・。

よし、まずは足下から少し固めてみよう!
左手で少しずつ土を削って、去年買っていたレンガ状の敷石を埋め込んでみます
すると・・・。

ででん!!
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なかなか良い感じで安定しました。
もちろん、セメントは打ってないので石そのものを踏んだら即アウトですが、なにも無いよりはましでしょう。



★片腕運用でもサクッとカメラを取り出したい

あぷらなーとは不精者なので、増殖した『赤缶』(ZWOの冷却CMOSカメラ)群も「元箱に入れっぱ」だったんです。でも片手でコレをゴソゴソ開けてセッティングするのは骨が折れますし、撤収時の事故にもつながりかねません。(怪我が悪化するといけないので、左手が滑ったら潔く落下するに任せることにしてます)

というわけで、アマゾンベーシックのケースをポチっとな。
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これをパカッとやると・・・
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ででん!!
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乾燥剤も湿度計もいれてあって、各カメラにはあらかじめ延長筒とフィルタを装着したままで格納
左手でひょいっと抜き取れば、即・臨戦態勢に移行可能♪




★現実的な新兵器降臨

スカイメモと『にせBORG』では少々心許ないですし
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本命のEQ6Pro+89EDによる『三連装フルアーマーBORG』は、どう考えても片腕での運用は不能
f0346040_20462164.jpg
ええい!
ならば、その空隙を狙ったシステムを構築するのみっ!!

というわけで

ででん!!
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降臨・GPDとミニBORG60EDによるビームスプリットシステム、名付けて『フルアーマーBORGペケーニョ」!!
ちなみにペケーニョ(pequeño)とはスペイン語で「ちっちゃい」の意味。ニュアンス的には「プチ」ですな。

え?
「これ結構重くて設営で怪我するのでは・・・・」
ですと?

いや、地球の重力攻撃も「右腕に当たらなければどうということはない。」



★いざ出撃・「ペケーニョ出る!!」

いやはや、ホントは悪戦苦闘したのですよ。
台風が過ぎ去って光が差してきた午後3時頃から色々と作業始めて、気がつくと午前3時

ついに『フルアーマーBORGペケーニョ』初陣に出撃です。
f0346040_21004819.jpg
では本日の装備をご紹介

対物レンズ:ミニBORG60ED×2
光路分割:自作ビームスプリッタ×2
補正レンズ:ケンコーPro1DーACクローズアップレンズ×4
カメラ:ASI1600MM-Pro×1 ASI1600MM-Cool×2 ASI1600MC-Cool×1
フィルター:Hα・Hβ・SⅡ・OⅢのナローバンド
赤道儀:ビクセンGPD+ステッピングモータ
極軸設定:PoleMaster
オートガイド:無し

以上の装備で、4波長ナローバンドを同時露光するという変態的・・もとい画期的な戦術です。

※どうでも良いですが、上記の出撃写真、良い感じで光が回ってると思いません?
左手だけでは大きな光源が使えないので、いつもの「A3LEDトレース台で拡散光を当てる」技が使えないので、「露光を8秒まで伸ばし、その間に小型LEDランタンを左手で持って色んな角度から当てる」という秘策を編み出しました。



★今回のターゲットは『初』カリフォルニア

台風の影響で大気は不安定なまま。
晴れ間があるといっても雲がどんどん通り過ぎます。
しかも満月期で2等星までしか見えません。
シーイングも最悪。
まもなく薄明・・・・。

今回はテスト運用的要素が強いので、ターゲットには人生初のカリフォルニア星雲を選定。
(あぷらなーとは初心者ですから、メジャーな天体もまだ網羅できてないんですよー)
各カメラをゲイン400+15秒露光にセットして、各240コマ連写します。

Hαの1コマ画像
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さすがHαナロー。こんな悪条件下の15秒でも写りますね♪

Hβの1コマ画像
f0346040_21185887.jpg
うーむ。予想はしていたけど、淡いなあ。ほとんどなんにも無い(泣)

SⅡの1コマ画像
f0346040_21193329.jpg
淡いけど、なんか構造が見えますね♪

OⅢの1コマ画像
f0346040_21194787.jpg
ここで、事故。ケーブル不調で冷却できず、ダークノイズまみれ(笑)


★画像処理を軽くやってみる

では、軽く画像処理してみましょう。
4台の冷却CMOSカメラで撮影した合計960コマのライトフレームと同数のダークフレームを用いて下ごしらえ。

これを2群に分けて
 A群:Hα+SⅡチーム
 B群:OⅢ+Hβチーム
それぞれでコンポジットします。

RチャンネルはA群、G+BチャンネルはB群を充て、「とりあえず赤いカリフォルニア」を目指します。
(今回の条件では極彩色とかは、とうてい無理なので・・・)

ええと、諸処の課題が山積してるので、いつもより小声でいきます・・・


ででん(笑)
f0346040_22263953.jpg

いえ、あまりパッとしませんが、これはこれで良いんです。
人生初のカリフォルニア星雲がゲットできたんですから。


★今回見えた課題

①なんか変なゴーストが出てる
 小さくて四角いゴーストが多い。ナローバンドフィルタ・撮像面・ビームスプリッタ・・・平行反射面は多いのでなんらかの工夫が必要そう。ついでに、なんかAC-No3には個体差がありそうな予感。

②なんか変な色むらが出てる
 強めの画像処理するとムラムラ出てます。アンプグローの影響はダーク引きで軽減できているのですが、機器内の反射とかも影響してそう。こんどはフラットも撮らないと・・・ですね。

③OⅢとHβが弱い
 ま、スペクトル強度みればその通りなんですが、もっと露光が必要なようですね。いや、それ以前にOⅢ用のカメラが冷却できていなかったってのが・・・ね。


★なんぞ、これ?
えーと、無理に石を埋めてみたり、なんか気合いの入り方が『変』・・・と思われた方は鋭い。
それになんだよ「ペケーニョ」ってネーミングセンス(笑)。

ふっふっふ。
「戦いとは常に二手三手先を見て行うものだ。」

すでに、次の一手は打たれておりまして・・・・。

f0346040_21393602.jpg
笠井のイタリー製・軽量ピラー脚「グランデ」ですなぁ。
形状が独特なので左手だけで組み立て運搬が可能なのですよ、これ。
しかも、GPD、EQ6Proのどちらにも対応する仕様。

ふはははは。
赤道儀常設への道、見えたわっ!!

※グランデをスペイン語ではなくイタリア語と解釈すると反意語はピッコロでしょう?というツッコミは無しの方向で・・・。だって、ペケーニョって語感が可愛らしいので。

★★★ご注意★★★
個体差かもしれませんが、私のGPDは水平調整用の『ツノ』の長さが不適合でそのままではグランデに搭載できませんでした。


by supernova1987a | 2018-07-30 21:57 | 機材 | Comments(22)

『フルアーマーBORG・完全体』出撃準備♪

★ここまで長い道のりでしたが・・・

ようやく、『フルアーマーBORG』が当初夢想した仕様に到達しました。

目指したのは、
「Hαナロー・SⅡナロー・OⅢナロー・RGB の全てを同時露光してしまう」
という、まさに『ど変態仕様機』


★まずはカメラ・・・

カメラはZWOの冷却CMOSカメラです。
 ASI1600MC-COOL×1機
 ASI1600MM-Cool×2機
 ASI1600MM-Pro×1機
合計4台の『赤缶』がついに揃いました!

f0346040_20475998.jpg
★誰もマネしてくれないであろう「ビームスプリッター」

我ながら画期的アイディアだと思ってはいるのですが、色々とリスクがあって、万人にはオススメできない変態アイテム「ビームスプリッター」も、ついに2セット目の部品が納品されました。

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発注先は前回と同じ、エドモンドオプティクスさん。
本来研究者向けであろうパーツを個人相手に販売してくれるところが素敵♪

・・・で、色んなパーツを組み合わせて・・・

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クローズアップレンズ利用のレデューサ内蔵のビームスプリッタ装置が2個完成♪

これらを組み上げると・・・・


・・・ででん!!

★『フルアーマーBORG』完全体、降臨っ!

f0346040_20581051.jpg
ちなみに、50mmガイドスコープ・50mm光学ファインダー・広角電子ファインダーも装備していて、死角無し。
もはやBORG89EDが原型をとどめていません(汗)

うーむ。
我ながら、ほれぼれするほど変態チックな機材だなぁ(笑)。

少ない観測時間しか取れない身でも・・・
こ・・・この機体なら!

うひひ・・・。



★ご注意★

●ビームスプリッタによる同時露光には、下記のリスクを伴います
 ①光路分割するものなので、明るさは1/2になります。
 ②一種のハーフミラーなので、その原理上、偏光が生じます。
 ③40mmほどのガラスを通過するので、負の球面収差が発生します。
 ④若干の色収差が発生します。
 ⑤設置位置によってはゴーストが避けられません
 ⑥たいていの場合、コスパ悪いです。

●ASI1600MMは、そのバージョンやロットによって個体差があり、特性をよく調べてからでないと意図通りの運用ができない可能性があります。
例えば、あぷらなーと保有の3個体については、下記のように吐き出される像には大きな差がありました。
f0346040_21071570.jpg
 ※左:1号機 中:2号機 右:3号機
 ※全て-30度+ゲイン200+0.5秒露光でフラットパネルを撮影して出力した16bitFITS画像を50コマコンポジットしたもの。

ご覧のように
 1号機は網目状ノイズが少ない代わりにクールピクセルが多い
 2号機はクールピクセルが少ない代わりに網目状ノイズが盛大に出る
 3号機は(今のところ)どちらも少ない
という有様で、とても同じ(系列の)機種とは思えませんね(笑)。
さらに、1号機にはゲイン400前後で盛大に横シマノイズが発生するため、高ゲイン下で撮影した像は、ステライメージでのコンポジットは不可能で、AutoStackert!2のRowNoiseCollection機能を利用したスタックなどの必要があったり・・・など、色々とクセがあります。

※MM1号機の横シマノイズ(Rowノイズ)は、例えばこんな感じ
f0346040_01140479.jpg
とりあえず、ゲイン400+30秒露光で発生することは分かってるんだけど、同じゲイン400でも短時間露光によるフラットフレームには再現しないという困りもの。でも、まあ、AutoStackert!2で補正できるので良しとします。


※MM2号機の網目状ノイズの正体は、素子別の輝度分布を解析してみるとハッキリします。

f0346040_01162806.jpg
このように感度の高いピクセル(L2・L3)と感度が低いピクセル(L1・L4)が交互に並んでいる訳ですね。
正確には、感度と言うよりもむしろ、L2・L3群とL1・L4群のオフセット(零点補正)がズレてる(涙)。
まあ、これもオフセットのズレ(バイアスノイズ)を含んだダークフレームを減算すれば軽減するので、良しとします。

さて、MM3号機、今回のフラットパネル試写では良い感じに見えるけれど、実際に天体撮ったときは一体どんな問題が出てくるのか、ハラハラドキドキです。

by supernova1987a | 2018-01-28 21:15 | 天体望遠鏡 | Comments(14)

ナローバンド撮影の『裏パレット』

★お待たせしました♪

先日より試しているナローバンド撮影における三波長合成カラー化の『見慣れないカラーバリエーション』ですが、
一通り確認作業が済んだので、いよいよ種明かしです。

f0346040_06360697.jpg
はい。
従来のHα・SⅡ・OⅢナローをカラー化するためのカラーバリエーションには、上記のような色具合のパレットは存在しません。



★・・・と、その前におさらい♪

ご承知のように光の三原色はRGB(赤緑青)の3色です。
その3色を組み合わせることで、理論上は(人間が知覚する)全ての色が表現できます。

たとえば・・・
f0346040_21285502.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21293589.jpg
このように様々な色が表現されます。

 R+G→Y(イエロー)
 R+B→M(マゼンタ)
 G+B→C(シアン)
 R+G+B→W(ホワイト)

となる訳ですね。
一般的なカラーデジカメがRGBの三種類の画素を搭載しているのも、上記の理由です。



★たとえばバラ星雲のSAO合成は・・・

先日『フルアーマーBORG』で撮影したバラ星雲の場合だと

f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれR・G・Bに割り振って

f0346040_21360357.jpg
こんな感じで色を付けたものを加算コンポジットすると

f0346040_21365759.jpg
こんな画像に仕上がります。
これがいわゆるSAOパレットです。

S(SⅡナロー)とA(Hαナロー)とO(OⅢナロー)をR/G/Bのどの色に割り振るかによって、色んなカラーバリエーションができます。
そしてその総数は、3の階乗=6パターンが考えられますね。

f0346040_21432591.jpg
 ※上段左から SAO OSA ASO
 ※下段左から OAS SOA AOS
  

★でも、実は他に方法があるんじゃ・・・?

今回あぷらなーとが撮影した条件が、たまたまそうなのかも知れませんが、どうもバラ星雲のナローバンド画像が発色に乏しいというか色がくすんだような印象を受けました。(完全に好みの問題ですよー。)

よくよく画像を見ていると、RGBの原色に表現されている部分が少なくて、それぞれの補色であるCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の領域が広いんですね。これは、元画像を見れば分かるように、ナローバンドの各領域が重なっている部分が多くて、当然その部分は原色の補色に演算されてしまうので当然と言えば当然です。

では、どうする・・・・?

これは捉え方の問題ですが、
  R+BがMだという解釈もできれば
  M+YがRだという解釈もできます
(厳密には、CMY合成が有効なのはプリンタインクや絵の具などのような減色混合の場合だけですが、コンピュータで演算する分には、別に問題はありません)

たとえば

f0346040_21533873.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21542141.jpg
こんな風に、CMYの間にRGBが生成されます。
(本来のCMYなら黒になるはずの部分が白になっているのは、減色合成せずに、あえて加色合成したからです)

これをナローバンド撮影に応用すると
f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれC・M・Yに割り振って
f0346040_21583667.jpg
これを合成すれば

f0346040_21594638.jpg
こんな画像が出来上がります。

HαのマゼンタとOⅢのイエローが重なった結果、鮮やかな赤が生成され、HαのマゼンタとSⅡのシアンが重なった結果、鮮やかな青が生成されました。


★というわけで『種明かし』は・・・

S・A・O 三波長で撮影したデータをカラー合成する際に、
 RGB合成せずに、CMY合成する
でしたー♪

その結果、あらたなカラーバリエーション6種類が手に入ったことになります。
f0346040_22334474.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
  
従来のカラーパレットと区別するため、本ブログ中では便宜上「SAOリバース」などのように語尾に『リバース』を付けることにします♪

少々ケバケバしすぎるようにも見えますが、彩度を下げる処理は簡単(破綻しにくい)ので、ちょちょいのちょいです(笑)
では、すこし彩度を下げてバランスを取ってみましょう。

すると・・・・

ででん!!
f0346040_22290903.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
いかがでしょう?
これなら、あまり違和感なく、新しいカラバリが楽しめそうですね♪


★あぷらなーとのお気に入りパレットは・・・

①『OSAリバースパレット』
f0346040_23362800.jpg
 いかにもナローバンドっぽい色のグラデーションが好き♪

②『SOAリバースパレット』
f0346040_23365959.jpg
 ウネウネが立体的に見えて好き♪

到底、天文雑誌のコンテストに出せるレベルではありませんが、
たった89mmの望遠鏡で迫力満点のバラ星雲が撮れる時点で(個人的には)笑いが止まりません。
3台目のASI1600MMと2台目のビームスプリッタも完成したことだし、ここからはバンバン『出撃』あるのみですかねー♪



★面倒くさそう・・・ですか?

さて、この処理(リバースパレット)は一見処理が面倒くさそうですが、ステライメージをお持ちでしたら、
「RGBカラ-合成」アイコンの横に「CMYカラー合成」のアイコンがあるので、それ押しちゃえば、RGB合成と同じ感覚で一発完了です。厳密には(演算ロジックに合点がいかない挙動があるので)もう少し検証が必要なのですが、早く「新しいパレット」遊んでみたいという方には、オススメですね♪



★昔取ったなんとやら・・・

今日、色々と捜し物をしていると、懐かしい写真が出てきました。
f0346040_22411391.jpg
約30年前(高校生の頃)地元の某プラネタリウム主催の天体写真展で念願の最優秀賞もらった時の作品ですね。
アルテア15(15cm・F10のカタディオプトリックカセグレン)+オルソ5mmアイピース。
これにR・G・Bの原色フィルタをかましてコダックTーMax400モノクロネガで3バンド撮影。
暗室にこもって各バンドの画像を手動でコンポジットして仕上げたモノクロ印画紙をフィルター付きの一眼レフで多重露光することでRGB合成。
ラボのオペレータにCMYの各露光データを直接指示してカラーバランスを調整。

複雑な処理過程を審査員にアピールするために、展示用の台紙まで自前で用意したんですから気合い入ってます。
提出前にインフルで高熱を発症してた中で書いたので、レタリングが下手くそなのは、ご愛敬(笑)。

ああ、若かったなあ・・・。



by supernova1987a | 2018-01-21 22:51 | 天体写真 | Comments(12)

『フルアーマーBORG』で薔薇を撃つ

★珍しく、条件が揃いました!

ここのところ、なかなか「お休み」+「月が無い」+「晴れ」の三拍子が揃わなかったのですが、ついに条件が揃いました。
これはもう、千載一遇のチャンス♪
冬の寒波の襲来でめちゃくちゃ寒いですが、『フルアーマーBORG』ニワトリ出撃決定です。

実は、大晦日に「ファーストライトで『年越し薔薇』だっ」と意気込んだのは良いものの、月が明るいし、自作レデューサの選定間違えて『日の丸ゴースト』が出るし、USBメモリからのデータ移送にミスって120コマも画像が消失するし・・・・で、人生初の「SAO作戦」は玉砕しました。



★今回の改善策は・・・

今回は『フルアーマーBORG』のセカンドライト。・・・前回の失敗を取り戻すべく、薔薇リベンジのみの一点突破を狙います。
前回の教訓を元に
 ①ASI1600MCの前に装着したレデューサ代わりのクローズアップレンズは「ノーマル」ではなく「Pro1-D」仕様の物に換装
 ②明るい内にファインダーなどの調整は済ましておく
 ③突然SSDが昇天して何もかも飛んでしまったDELLのノートPCを修理する。
 ④撮像中に始まるWindowsアップデート関連を回避するため、撮影の半日前から全てのPCを起動させておく
 ⑤フラットは撮影後の日中に撮るので望遠鏡にカメラは付けたまま撤収
 ⑥ヒューマンエラーが出やすい『クールファイル補正法』は手作業ではなく、ぴんたんさんが実装してくれたFlatAideProのバッチ演算を使う
 ⑦露取りヒーター6機はAC電源からUSB充電器を通じて安定稼働させる
 ⑧画像処理は、撮影後、ちゃんと寝てから取りかかる
以上の改善を盛り込み、頑張ってみます。



★いざ出撃! 
f0346040_00492111.jpg
BORG89EDをツインに仕立て、その内の1本にはビームスプリッタを介してASI1600MM-COOLを2台装着。
この2台のカメラでHαとSⅡを同時露光します。
もう1本のBORGに直付けでASI1600MC-COOLを装着。
こちらは、主にG素を利用してOⅢを露光します。

これで、2時間ほどバラ星雲を撮影し、Hα+SⅡ+OⅢを一気に同時露光してしまうという作戦です。
事前テストで、(接眼部の大幅強化はしたものの)鏡筒とマウント関連のタワミが取り切れて無く、2本の鏡筒が別方向にズレていくことが分かっていたので、オートガイドは無駄と判断。ノータッチガイドで、短時間露光+多数枚コンポジットで攻めます。


★かくして撮影した画像は・・・

 Hαライトフレーム:ゲイン400+30秒露光×240コマ
 SⅡライトフレーム:ゲイン400+30秒露光×236コマ
 OⅢライトフレーム:ゲイン400+30秒露光×240コマ
 バイアス補正のためのフラットダーク:各カメラにつき360コマ
 フラット補正のためのフラットフレーム:各カメラにつき360コマ
 バイアス&ダーク補正のためのダークフレーム:各カメラにつき360コマ

・・・しめて3956コマの画像を撮影しました。



★SAOの薔薇ゲットなるか?

なにしろ人生初の三波長ナローバンド撮影ですから、完全に未知の領域なのですが、ともかく四苦八苦しながら画像処理を進めました。

すると・・・

ででん!!
f0346040_01060828.jpg
おお、とっても良い感じです♪
ついに、「フルアーマーBORG」作戦、成功です。

それにしても・・・・
たかが30秒露光のノータッチガイド画像を寄せ集めただけなのに、
えらく細部が写ってます

上記画像のピクセル等倍だと・・・

f0346040_01095632.jpg
うへぇー。
これがナローバンドの威力かー。
まあ、前々から
「シーイングの悪い環境下では、ベイヤー処理によるボケを含まないASI1600MMの真の解像度が活きるのは、せいぜい焦点距離600mm前後ではないか?」
などと、邪推してたんですが、BORG89EDがまさにこの焦点レンジ。
「ノイズを目立たなくするためにソフトウェアビニングしちゃうと解像度が下がってもったいない」
と感じたのは、初めての経験です。

まだまだ改善の余地はありますが、
とりあえず
2本のBORG89EDと1個のビームスプリッタを用いて、SAOナローを一気撮りしてしまう無謀な試み
は成功しました。

めでたい♪

おや?
いつの間にか、ビームスプリッタが2個に増殖してるぞ?
あれれ?
いつの間にか、ASI1600MM-COOLの3機目の入荷メールも来てるぞ?

ええと・・・
もう少しだけ『フルアーマーBORG』強化してみます。
ま、ジオングに足付けるようなものですが・・・(笑)

by supernova1987a | 2018-01-16 01:33 | 天体写真 | Comments(12)


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