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あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
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人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?②

※ご注意:前半は「前振り」で、後半が「本題」です

★『ど変態機材』には困難が山積み
一見、着々と魔道の兵器を量産しているように見えるあぷらなーとですが、実はその陰で『黒歴史』も量産しておりまして、試作品の段階ではお蔵入りしそうになるのがたいていなんですねぇ。
ただ、今年は『やりたいことリスト』を公言しているだけに、少なくともその大半は実現したいものだと楽しく悪戦苦闘してます。

例えば・・・
①二連装『フルアーマーBORG』89EDのファーストライトを敗北に追い込んだ『日の丸ゴースト』
f0346040_20424271.jpg
冷却CMOSカメラ3台とビームスプリッタを投入して組み上げた『フルアーマーBORG1号機』ですが、ファーストライトでそのうちOⅢバンドを担当したASI1600MC-COOLの画像が・・・・
f0346040_20443059.jpg
こんな有様で壊滅!・・・名付けて『日の丸ゴースト』(笑)。ちなみにビームスプリッタは使ってない筒なのにフラットも全く合わないという始末。

後日これは、レデューサ代わりに使っていたケンコーのACクローズアップレンズNo3が、この筒だけ「Pro1-D仕様」ではなく「ノーマル仕様」だったためと判明。
要するに、ピカピカのナローバンドフィルタの表面で反射したバックグラウンド光がクローズアップレンズの表面で反射+結像してしまったのではないかと推測されます。後日、見事に解消し、実戦投入に至りました♪


②ビームスプリッタ二連結による『三板式にせBORG』を「絵に描いた餅」に追い込んだ『斜め線ゴースト』
f0346040_22024591.jpg
相対角45度で連結した2個のビームスプリッタによってパララックスやライムラグなく三波長同時露光できるという『野心作』だったのですが・・・
f0346040_22042595.jpg
像自体は非常に解像度が高くて実用化まで行くかと思ったのですが、上図の通り、斜めに走るゴーストが頻発。これ、ゴーストというか斜め45度に設置した2個のビームスプリッタ間で生じた『像の二重写し』に近い物なんですよねぇ。ま、平行ガラス面が短距離に4つもあるんですから、さもありなん。
こちらは解決の光が見えず『お蔵入り』とあいなりました。

③ビームスプリッタ装備×二連装による『フルアーマーBORG・ペケーニョ』を「一時休止」に追い込んだ『ひし形ゴースト』
f0346040_22134162.jpg
BORG60ED+ビームスプリッタの二連装で4波長(Hα・Hβ・SⅡ・OⅢ)同時露光できるという邪悪な兵器ですが・・・
f0346040_22150528.jpg
特にSⅡ画像に上のような顕著なゴーストの大群が発生。しかも形状が円形ではなくてひし形っぽいという摩訶不思議な症状。
こちらはまだ原因が判明しておらず、調査中



さて、ここからが本題。

★今回の人工星テスター遊びで新たな現象を発見
これまでの諸々のゴースト像の正体を暴く一助になるかどうかは分かりませんが、興味深い現象を2例見つけました

その①:ピントをぼかしていくと再び現れる謎の合焦像
f0346040_02525805.jpg
これは、「ミニBORG60ED+純正フラットナー+OⅢナローバンドフィルタ+ASI1600MM-COOL」という構成で人工星テスター(点光源が5つある)を撮影した物です。これ、中央の輝点ではなくて回りに広がる巨大な多重円が像本体です。で、真ん中にある輝点がゴースト
実は、思いっきり焦点より内側にカメラをズラしてボケ像を観察しようとしてたら、あら不思議。「ある程度内側に進んだところで鮮明な像がもう一度現れた」という顛末。しかもよく見ると各光源につき2匹ずつ生じてるんですね。

少しずつピントをズレして、その挙動を調べてみると・・・
f0346040_22433544.jpg
 ※左から右:順次カメラの位置を前後に変化させたもの

面白れぇー!なんか非点収差(サジッタル面とメリディオナル面とで焦点がズレること)が特盛りのダメダメ望遠鏡を見ているみたい。

要するにこれ、有害光を生み出す反射面が2カ所生じていて、しかもその間隔が近いと推測されます。

・・・となると・・・

「犯人は貴様かっ!!」

では、早速『対照実験』に移ります。
OⅢナローバンドフィルタのみを外して見たところ・・・・
f0346040_22283174.jpg
見事に解消♪

これ、皆さんが懸念されている「ピカピカのナローバンドフィルタ表面」に起因するゴーストで間違いありませんね。
もっとも、これは像本体とゴーストとの合焦関係を逆にすると分かりますが、実際の撮影では相当に拡散していることが予測されます。大きく拡散したゴーストは(淡くなるので)目立ちませんから、適切な距離を取って配置したナローバンドフィルタなら実害は少ないでしょうね。

「例えば①」で紹介した日の丸ゴーストも(クローズアップレンズのコーティング特性や曲率半径はもちろんのこと)そもそもナローバンドフィルタ表面の反射光が効いているの「かも」しれません。


その②:格子状に展開する奇妙なゴースト
「ミニBORG60ED+OⅢナローバンドフィルタ+ASI1600MM-COOL」という構成で色々と遊んでいたとき、今度は合焦面から少しズラした付近で奇妙なゴーストが出ることを発見しました。

f0346040_22383254.jpg
な、なんぞこれー!

なんという美し・・・否、邪悪なゴースト!
というか、なんかゴーストと言うよりも回折像っぽい趣。
よく観察すると、点状に結像しているグループと円形にボケたグループとに分かれています。

では、少しだけピント位置をずらしてみます
f0346040_22414621.jpg
ああ、なるほど、今度はゴースト像のボケ方が逆転しましたね。
要するに微妙に結像位置の異なる2種類のゴーストが同時発生しているということですね。

ふはははは。分かっておるわ。
これもナローバンドフィルタの表面反射でなんか起こっているのだろぉ?

早速、フィルターを外してみます
すると・・・・。
f0346040_22520592.jpg
き、消えぬっ・・・というか酷くなった・・・だと?
ぬかったー!
MMではなくMCで撮像すべきであったわ!

意外!ナローバンドフィルタは犯人じゃないようです!!
本来は上の写真のように線状に伸びたゴーストで、たぶん虹色に分光してるんだと思われ・・・で、ナローバンドフィルタはそれから特定波長のみを「切り取った」に過ぎないのだと。今後の『検証ごっこ』&『考察ごっこ』の課題ではありますが、これひょっとしてCMOSセンサー表面の微細構造が反射式グレーティング(回折格子)として作用していて、その分光像がカメラの保護ガラスに反射して結像した・・・・とかだと、ユーザーサイドで回避するのはほとんどムリなんじゃ・・・・。


★そういえば!
今回の件と直接関係はないかも知れないけれど、昔、デジカメで撮影した画像に赤や緑の格子状斑点がウジャウジャ出てるのを見たことがあったぞ?
・・・で、少しググってみた。

ほおー?
巷で
『サッポロポテト現象』
と呼ばれている症状に少し似ているなぁ。


★★★以下つづきます・・・が時間かかりそう★★★


by supernova1987a | 2018-09-11 07:28 | 機材 | Comments(6)

人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?①

★三連装『にせBORG』のファーストライト時に
先日、北アメリカ星雲などの撮影時に、ふとした気まぐれで恒星を用いた焦点内外像を動画撮影してみました。

だって・・・・「1600円レンズの威力を見るがいいっ!」なんて強がってても実際のところ不安じゃないですかー。
光軸が大幅にズレてない? 偏心が沢山残ってない? 球面収差でボロボロとか?
・・・・もう、心配材料が満載。
幸い、Haナローバンドで見る限りそれらは杞憂でして、むしろ「良すぎる」くらいだったのですが・・・・。


★焦点内外像でもっと遊びたいっ!
正直、屈折望遠鏡でこんなにキレイな回折像が撮れるとは思っていませんでした。
ほら、色収差の影響を避けるため、屈折望遠鏡のテストでは緑色のレーザーとかを使って焦点内外像ってチェックするんでしょ?
でも「ナローバンドフィルタを使えば単色光を用いたテストに肉薄できるのでは?」と思いついたのが事の発端でした。

・・・で、困ったことに(?)目論見が予想以上に当たっちゃったので、そうなると・・・・

ポチらねばなるまい


もしも今回の試みが成功したらポチろうかと思案中だった新兵器をポチッとな。

それは・・・・

ででん!
f0346040_01564588.jpg
はい。
LEDライトにピンホールを取り付けた簡易版の『人工星テスター』です。
ちなみに(心臓部のピンホールは上出来ですが)本体のつくりが非常にアレなので商品名などは割愛(笑)。
ま、百均のLEDライトよりも貧・・・ゲフンゲフン・・・ただのライトなので固定法とか方向合わせの工夫が大変そうですが・・・。

ふはははは。
我が手元には(いつぞやミルククラウンの実験教室開催用に泣く泣く自腹購入した)「実験スタンド」があるのだよ!
では早速、人工星が実用に耐えうるかどうか軽くテストしてみますかね。

テストする望遠鏡にASI1600MM-COOL(一号機)を取り付けて、人工星を観察します。
f0346040_02153017.jpg
おおー。
意外ッ、ディ・モールト実用になるッ!!



★検証ごっこ①
『にせBORG』の波長ごとの挙動
まずは『にせBORG』がHaバンドとOⅢバンドでその挙動がどれほど異なるか軽くチェック♪
f0346040_02211877.jpg
 ※左上:Hαの焦点内像 右上:OⅢの焦点内像
 ※左下:Hαの焦点外像 右下:OⅢの焦点外像

本来の距離(10m以上)をとってないので、あくまで『雰囲気』ですが、HaとOⅢとでは(焦点のズレは盛大だが)球面収差の挙動は似ている気配
要するに、どちらも負修正(球面収差の補正不足)気味であることがうかがえます。
ただし、偏心とかの手に負えないエラーは無さそう。・・・ええ、十分ですよ。1600円のアクロマートなんだから。


★検証ごっこ②
 禁断の『にせBORG』VS「ミニBORG50アクロ」
さて、ほぼ同じスペック(口径50mm・焦点距離250mm)のアクロマート同士の禁断の比較(笑)。
比較波長はOⅢで行ってみます。
f0346040_02322053.jpg
 ※左上:『にせBORG』焦点内像 右上:ミニBORG50の焦点内像
 ※左下:『にせBORG』焦点外像 右下:ミニBORG50の焦点外像

ああ、完璧に負けましたね『にせBORG』
さすがは本物の望遠鏡。アクロマートとはいえなかなか見事な内外像!!
※若干非点収差っ『ぽい』挙動が見えますが、厳密に光軸上を測定したわけではないので詳細には触れません。

むう。
ミニBORG50アクロ・・・強敵であったわ。

あ、あと2個ほど欲しい・・・けどミニBORG50アクロの対物レンズ単体はもう販売されてないんですよねぇ(泣)。



★検証ごっこ③
「ミニBORG50」VS「ミニBORG60ED」

実戦を想定してどちらもマルチフラットナーを付けてOⅢバンドでの比較です。
これは流石に60EDに勝ってもらわないと困ります・・・。
いやー。ネタ的には「アクロマートの逆襲っ!」とか言ってても、「EDアポがアクロマートに負けてたまるかっ!」が本音ですもん。
f0346040_02452801.jpg
 ※左上:ミニBORG50焦点内像 右上:ミニBORG60EDの焦点内像
 ※左下:ミニBORG50焦点外像 右下:ミニBORG60EDの焦点外像

すげぇ!
ミニBORG60ED、完璧じゃないか!!
ああ、あと1個欲しかったのに、なんで無くなっちゃったんだろう・・・・。



★と、ここまで来て『のっぴきならぬ』気配・・・
うーん。実は、ナローバンド撮影を始めてから色々と悩んでたんですよねぇ。
なんだか不可解なゴーストめいたものが出るとか、輝星の像が不自然に思えるとか・・・。

・・・でね。
今回の『検証ごっこ』の途中で、見つけちゃった

こんな現象とか
f0346040_02525805.jpg
こんな現象とか・・・
f0346040_02552895.jpg
次回、簡単に『考察ごっこ』行ってみますねー。

★★★以下続きます★★★






by supernova1987a | 2018-09-10 06:41 | 機材 | Comments(10)

『ガチBORG』 VS 『にせBORG』

★戦艦と駆逐艦?

毎度~。怪しげな機材ばかりを量産中のあぷらなーとです。
しかし、同じ『三連装』といっても、そのスケールは全く違いますね。

こちらは『ガチBORG』三連装
本物のBORG89EDので組んだ89mmのEDアポクロマート三連装
f0346040_01395077.jpg
・・・で、こちらは『にせBORG』三連装
クローズアップレンズNo4で作った口径50mm相当のアクロマート三連装
f0346040_14322570.jpg
赤道儀とカメラが同一なので、そのスケール感の違いが一目瞭然ですね。
こりゃ、さしずめ「戦艦VS駆逐艦」の様相(笑)。



★条件や画像処理詳細は違いますが

せっかくですから、それぞれの三連装で撮影した北アメリカ星雲のうち、Haチャンネルで撮影した画像を拡大して、その戦力差をチェックしてみましょう。

カメラはどちらもASI1600MMProで、撮像温度0℃・ゲイン300・30秒露光です。
ただし、ガチBORGは120コマコンポジットで、にせBORGは240コマコンポジット
それぞれ『最善』と思われるところまで処理を進めています。

北アメリカ星雲のハイライトで比べてみると・・・・・

ででん!
f0346040_01521006.jpg
 ※左:『ガチBORG』 右:『にせBORG』

結構良い線行ってた『にせBORG』ですが、さすがに本物のBORGにはかないませんなぁ(笑)

とは言え、対物レンズだけの価格で比べると
 ガチBORG:10万7619円
 にせBORG:1600円
なんですから、まさに超弩級戦艦と駆逐艦とを比較するようなもの
コスパという面では『にせBORG』も十二分に健闘したと言うべきでしょうね。

あ、もちろん口径も焦点距離も違いますから、そのどちらが効いているのかは今後の『検証ごっこ』のお楽しみということで・・・・。
ええ、ここでACクローズアップレンズNo2に出番が回ってくる訳ですよー。

えへへ-。
「いつも無茶しやがって・・・」
と生暖かい目で見られているとは思いますが、一応今後の展開を考えた上で無茶してるつもりですので・・・。
(その伏線のうち約半数は闇に葬られるんですけど・・・ね。)


★そうそう『あれ』に言及しておかねば
よく聞かれるのですが
「240コマとかのコンポジットって大変でしょう?」
ってのがあります。念のため声を大にして主張します。

240コマの位置合わせコンポジットだと?
そんなものステライメージの6.5を使えば瞬殺だ!!

ちなみに、ASI1600MM-Pro(1600万画素の16bitモノクロFITS)で撮影した240コマの画像を、メインPCである自作Corei5機(6600@3.3GHz)で位置合わせコンポジットするのにかかった時間は・・・・

たったの1分43秒でした!

・・・で、こちらがコンポジット演算中の様子でして
f0346040_02153761.jpg
CPUはたったの21%しか消費してないし、メモリなんてたったの368MBしか消費してないっていう・・・。
(つまり、ボトルネックがもはやHDDのアクセススピードっていうくらいSI6.5のコンポジットは爆速だっていうこと!)
位置合わせも最初の1コマだけ開いて基準点を1個打つだけ。あとは全部自動でやってくれますしねぇ。
正直、200コマや300コマのコンポジットなんて何の苦労も要らないわけですよー。

なのに・・・なのに!
どうしてステライメージ7以降、仕様が変わっちゃったんだろう(泣)

ええ、一応、想像は付きますよぉ。
オートガイドとかの技術が一般的になったので短時間露光で数を稼ぐ(しかない)人は少ないであろうこと。
あとは・・・6.5の方式(ロジック)では位置合わせの精度が(ひょっとしたら)十分ではないのかもしれないってこと。

でも・・・・・。
「コンテスト入賞」とかのレベルの高い技術を追求する『正統派』以外にも、自己流でとことん楽しむっていう『邪道派』のアマチュア天文家だっていることも忘れないでいて欲しいなぁ・・・・なんてね。

by supernova1987a | 2018-09-08 07:49 | 機材 | Comments(8)

三連装『にせBORG』出撃③

★1600円対物レンズの性能とやらを
先日来取り組んでいるクローズアップレンズを対物レンズに転用して自作した『三連装にせBORG』ですが、なかなか良い感じです。

せっかくですから、ファーストライトついでに、色々とチェックをば・・・。


★焦点内外像のチェック
アクロマートレンズは、本来メインの波長を設定してその波長に関しては球面収差とコマ収差が出ないように設計されています。ええ、たいていは人間の目の感度が高い黄色か緑の波長でしょうね。・・・でも、ナローバンドでの星雲撮影で一番効いてくるのはHαの赤なんですよねぇ。しかも『アクロマート』といってもクローズアップレンズはそもそも近接撮影時にもピントが合うようにする『カメラ用の老眼鏡』ですから、それ単独で対物レンズとして転用するような『変態チックな用途』は考慮されていないハズです。

・・・というわけで、今回は撮影準備作業がてら星雲撮影時にメインとなるHαの波長域について焦点内外像をチェックしてみました。

すると・・・
f0346040_14041060.jpg
 ※Hα域の焦点
f0346040_14042253.jpg
 ※Hα域の焦点

うむ。
完璧ではありませんが、意外に健闘してると思いませんか?
ちなみに内外像の形が一致すれば球面収差ゼロのパーフェクト鏡です。

まあ、そのうち詳細は『検証ごっこ』するとして、今回はこれで良しとします♪



★周辺部の星像はどうなのだ?
ええ、当初は2種類のクローズアップレンズだけを組み合わせて作っていたんです・・・が、ナローバンド撮影の場合、思いの外実用になりそうだったので、すこし本気出しちゃって禁断の宝具「BORG純正マルチフラットナー」を装着。これはもう旧ザクにビームライフル持たせるような反則技(笑)。
本来フラットナーと撮像素子の間隔を色々と試行錯誤しないとダメなのですが、今回は時間が無かったので『適当』に調整。

それでも・・・
f0346040_14145072.jpg
 ※コンポジット後に2×2ビニングしてから等倍チェックしたもの

調整不足とスケアリングズレ(?)の影響で周辺部は少々流れていますが、大元が1600円レンズなので大健闘と言えるでしょうね。



★何コマくらい撮らないとダメ?
あぷらなーとの基本的戦闘スタイルは、
 ①ノータッチガイド
 ②短時間露光
 ③多数枚コンポジット
という『お手軽・邪道流撮法』です。
この場合、露光時間に相当するのは撮影枚数です。当然沢山撮れば撮るほどクオリティは上がってくるハズなのですが、一体何枚くらい撮れば実用になるんだろう・・・と。
ええと・・・実は、明るいはずの北アメリカ星雲だったんですが、30秒×120コマでも「ちと足らない」という感触だったんですよ。・・・炙り出すと荒れちゃう・・・っていう。


ふっふっふ。
そんなこともあろうかと、実はコッソリ240コマ分撮影していたのだよ。ああ、無論三波長全てについて・・・だ。

さて、120コマと240コマとで差は出るか・・・??

・・・ででん!
f0346040_14270904.jpg
 ※左:120コマコンポジット 右:240コマコンポジット

よし、ペリカンの顔付近も・・・
ででん!!
f0346040_14264570.jpg
 ※左:120コマコンポジット 右:240コマコンポジット

おお。全然違うなぁ~。
要するに、一番写りやすいHαナローであっても2時間くらいの総露光時間が必要ってことか・・・・。
でもこれ3波長全部撮影してたら、1対象だけで1晩かかっちゃうよー。しかも途中で絶対に子午線またいじゃう

ふはははは。
そのための『三連装』なのだ!
北アメリカ星雲め、通常の3倍の速さで一気撮りする魔道兵器の威力を思い知るがよいわ!
(もういいって・・・)

はい。
2時間の撮影時間でゲットしたHα・SⅡ・OⅢ合計720コマのライトフレームを全て用いて画像処理をやり直してみました。せっかくですから、個人的に好きな色合いを探ってみました。今日のお気に入りは、ズバリ『AOS+OSAリバースのミックス』

すると・・・
ででん!!!
f0346040_15035678.jpg
おお
同じ対物レンズを使った前回のシステムの戦果↓と比べてみよう・・・
f0346040_21233184.jpg
f0346040_21234867.jpg
圧倒的じゃないか、我が三連装は!


これにて『三連装にせBORG:ナローハンター』実戦用兵器に昇格決定です!
めでたい♪

1600円のクローズアップレンズを何枚も買う酔狂な人はいないと思うけれど・・・これだけ遊べれば、流石に元が取れただろう(笑)。


★★★懺悔コーナー★★★
実はフラットフレームを一切撮っていなかったので、周辺部の色むらとかはNikCollectionのコントロールポイントを使って強引に修正してます。
たしかに、フィルム時代でも暗室で焼き付け中に印画紙の上に手をかざして覆い焼きとか焼き込みとかは多用してましたよー。でもねぇ・・・デジタルでコレやると、なんだか悪いことした気分・・・・。直感的に作業しちゃうと再現性が薄れるからかなぁ・・・。
ま、天体写真といっても所詮は『お遊び』なので良しということで(笑)

by supernova1987a | 2018-09-05 07:44 | 機材考案 | Comments(6)

三連装『にせBORG』出撃②

★紆余曲折の後・・・・

ここまで長かったのですが、
「ケンコーの1600円クローズアップレンズを対物レンズに見立てて自作した望遠鏡で星雲を撮る」
という、無茶なプロジェクトが一応の成果を出せました。

すこし振り返ります♪

①ことの発端
子供の頃、虫眼鏡でカメラを自作。
高校生の頃まで色々と試行錯誤。

②ブログを始めてから
ネタ用に色々と試行錯誤を再開。

昼間撮影用としては、市販レンズよりも後ボケが柔らかい良好な描写をすることを確認

お花写真用として実戦投入します。

③天体用にならないか試行錯誤
まずは、ACNo2を用いて月面を撮影することに成功♪

続いて、ACNo4+デジタル一眼で星雲を撮影することに成功♪

このあたりで三連装化を思いついたり・・・・

昼間の風景でナローバンド撮影のシャープネスを確認したり・・・

ナローバンドで月面を撮システムを構築してみたり・・・

突然、三板式を構築してみたり・・・

ギャグのような様式を追求してみたり・・・

ようやく三連装+ナローバンドの様式に落ち着いて出撃開始♪

ついに、ネタで無く実際に有用なシステムに進化しちゃいました。



★さて、カリフォルニア星雲から処理するとしようか
台風接近前の千載一遇の晴れ間を用いて、『あこがれの』カリフォルニア星雲を撮影しました。

●対物レンズ:ケンコーACクローズアップレンズNo4
 ※口径50mmF5アクロマート相当
●補正レンズ:BORGマルチフラットナー
●フィルター:Hα・SⅡ・OⅢの各ナローバンド
●カメラ:ZWOのモノクロ冷却CMOSカメラASI1600MMシリーズ

・・・で、これを3セット作って三連装化。
要するに、「通常の3倍の速さで撮影できる」という魔道兵器なのです!


●架台:ケンコーEQ6Pro赤道儀+笠井のピラー脚グランデ
●アライメント:『架空一点アライメント』
 ※あくまで自己流ですが、恒星時追尾中に赤緯モーターが動くのが嫌いなので常に1点アライメントしかしません。
●ガイド:ノータッチガイド
●撮像温度:0℃
●ゲイン:300
●露光:30秒
●形式:モノクロ16bitFITS
 ※12bitのデータにスキマを入れて16bit化したもの
●撮影枚数:120コマ×3セット
●ダークフレーム:過去に撮影したものを転用
●フラットフレーム:なし

では、いよいよ処理してみます。

f0346040_00080863.jpg
 ※左:Hα 中:SⅡ 右:OⅢ

うーん。OⅢは淡いなぁ。トータル1時間露光でも何にも写らないや。


★いよいよSAO合成してみます

①ステライメージ6.5で下ごしらえ
②NikCollectionで階調とノイズ処理
③ステライメージ7でカラー合成
④NikCollectionで微調整

という『やっつけ仕事』ですが・・・・・

ででん!
f0346040_00122557.jpg
おお、1600円対物レンズとは思えない、ディテール感ではないかっ!
良い感じです。

マスク処理やレイヤー処理はしていませんし、そもそもフラット補正もしていないので、さすがに『極彩色』は望むべくはありませんが、良いんです。
あぷらなーとはナローバンド初心者。こんだけ写っただけでもウレシイ♪


★暫定的結論
①ナローバンドなら対物レンズはアクロマートでも十分っ!!
②三連装の撮影効率は高いっ!!

ふはははは。
(せろおさんのコメントにもあったとおり)
「モビルスーツの性能の差が戦力の決定的な差ではない」
ことを確かめてやったわ!


★★★お約束★★★

・本エントリーは、EDやフローライトなどの高級レンズ(いわゆるアポクロマート)を否定する主旨ではありません。
・安物対物レンズが何でも使える訳ではありません
・色収差は大丈夫ですが、球面収差が残っているとボケボケになります
・像面湾曲はフラットナーなどで補正する必要があります
・補正レンズ系は相性により盛大にゴーストが出る場合があります
・オートガイド+ディザリングを行わない場合『縮緬ノイズ』が不可避です。
 その場合、カメラの個体差に応じた対処法を工夫する必要があります。


by supernova1987a | 2018-09-04 07:57 | 機材考案 | Comments(6)

三連装『にせBORG』出撃

★以前、冗談半分に・・・・
ナローバンドフィルタを用いれば安物対物レンズでも実用になるのではないか??
そんな疑問から、ケンコーのACクローズアップレンズNo4を対物レンズに見立てて自作した三連装『にせBORG』
でも、なんやかんやで、未だに天体の実写ができていませんでした。
いかん。このままでは、単なるネタのまま終わってしまうではないか!
よし、台風が接近する前に実写してみるとしよう。


★出撃!ナローハンター
f0346040_14190971.jpg

実は、今回『ナローハンター』の初陣にそなえて、装備を強化しました。
ええ、当初予定していた補正レンズは Pro1D-ACクローズアップNo3 だったのですが、現在は三連装BORG89ED用に純正のフラットナーが3個揃っちゃってるんですよねー。なら、むりに自作レデューサを使うことも無かろうと・・・・。

どうもナローバンド撮影最大の敵はゴーストだと感じてます。特にビームスプリッタのように平面やクローズアップレンズのように凹面が存在していると、フィルタ表面からの反射光が思わぬ所に結像してしまいがちです。

今回は、
「ナローバンド撮影の対物レンズはクローズアップレンズで十分か?」
を検証ごっこするのが目的ですので、対物レンズ以外の不安要素は取り除くことにします。

というわけで、今回の装備は
 ①ACクローズアップレンズNo4
 ②BORGマルチフラットナー
 ③ナローバンドフィルタ
 ④モノクロ冷却CMOSカメラ
の4つを主要パーツとして組み上げたものを三連装して、Hα、SⅡ、OⅢの3波長を一気撮りしようという作戦です。

f0346040_14322570.jpg
ああ、1600円の対物レンズに4万円のフラットナ・・・・ このアンバランスさがたまらん(笑)。



★色々と画像処理に時間がかかるので
えーと、ここで「ででん!」っとスゴいSAOとかOSAリバースとかが出せるとカッコいいんですが、まだ画像処理作業中です。
というか、時間切れでフラットも撮れてないし、ダークも使い回し。
撮影は、庭に常設してあるEQ6PROによるノータッチガイドで、ゲイン300の30秒露光を延々繰り返すという『いつものやり方』でいきました。

見せてもらおうか。
1600円レンズの性能とやらを。

では、カリフォルニア星雲付近をHαで撮影したものをば・・・・・


ででん!
f0346040_14394953.jpg
 ※左:ゲイン300・30秒露光1コマ 右:120枚コンポジット

ええー?ここまで写れとは言ったつもりはないんだ。
おまえ1600円のレンズなんだから、他の数十万円級のレンズのことも考えてくれ。
これ、ちょっと他の機材の立場が・・・。

でも、やっぱそうなんだ。うん。
ナローバンドで行くなら、フローライトやEDじゃなくても大丈夫っぽい!!
(以前昼間でも検証ごっこした際に予想はしていたものの、星雲でも行けるとは・・・)
むしろレデューサやフラットナの相性が大切なのかも。


では、北アメリカ星雲付近をHαで撮影したものも・・・・・

ででん!
f0346040_15010817.jpg
 ※ゲイン300・30秒露光×120コマコンポジット(ノートリミング)

この画像はノートリミングです。
オートガイドは使ってないし、フラットも補正していないけれど、なかなかの写りだぁ。

さて、あとは、取り損ねたダークやフラットをコツコツ撮影して、SⅡやOⅢの画像も処理していくとしましょうかねぇ。

ええ。しばらくは撮影できなくても画像処理で楽しめそうですね。


by supernova1987a | 2018-09-03 15:14 | 機材 | Comments(12)

流星か?人工衛星か?③

★前回の考察で・・・

国立天文台のすばる望遠鏡による流星解析で示されていた「高度の差によるピンボケ量で人工衛星と流星を弁別する」という手法は、BORG89EDなどアマチュアレベルの小口径望遠鏡では不可能だということが『考察ごっこ』されました。

この件については、BORG89EDでも飛躍的に弁別力を向上させられるアイディアを準備中ですが、さてうまくいきますかどうか・・・・。

とりあえず、あぷらなーとが撮影した『流星』像がすばる望遠鏡で示唆された流星像に比べて著しく『細い』件は問題ないと判明しました♪



★今度は反証してみる
先日、けむけむさんが、「いくつか怪しい人工衛星がある」との分析を寄せてくれました。
・・・となれば、

自らやってみなければなるまい!

というわけで、お恥ずかしながらステラナビゲータは保有していないので・・・・
(いや、MS-DOS版から買い始めて6までは毎回バージョンアップしてたのですが、近年ちょっと疎遠に・・・。)
現在愛用のステラリウム(フリーソフト)に人工衛星用のプラグインがあることを発見!

ででん!
f0346040_19421895.jpeg
うひゃー。
例の写真を撮影した日時にウジャウジャ飛んでますね、人工衛星が。

では、気になる衛星をピックアップしてみます。
すると・・・

ででん!!
f0346040_19434705.jpg
ぬう?
グローバルスターM060、だと?

ううっ。「運用終了」とはなっているけど「光学観測可能」で6~7等で見えるとの予想・・・。
では撮影画像と比較してみましょう。
f0346040_19481459.jpeg
うわー。
ほぼピッタリじゃないかー!



★では「人工衛星」で決着か?
さて、あぷらなーとが撮影した『流星』は人工衛星グローバルスターM060で決着なのでしょうか?

いやいや!
まだ色々と疑問が残るのですよー。

疑問①
 ステラリウムのシミュレーションは正しい?
 ※けむけむさんによればステラナビゲータでは再現できないとのこと。できれば複数ソフトで検証してみたいところです。
疑問②
 なぜバンドによって姿が異なるのか?
 人工衛星のフレアは基本的に太陽光なので、Hα・SⅡ・OⅢの各バンドでその様子が異なるのは奇妙です。
f0346040_01041544.jpg
疑問③
 写った短痕状の構造はなんなのか?
 OⅢバンドだけ流星特有の短痕状の構造が写りました。人工衛星だとするとこの正体は??
f0346040_02240180.jpg
というわけで、目下のところ『人工衛星説』最大の難所は③ですね。

この短痕状の構造が、フレアを生じた衛星本体の回転などを捉えたのでは?とも考えましたが、
グローバルスターの高度が約1600kmであるらしいことを考慮に入れて計算してみると、本体の最大長さが約160m以上にもなっちゃいます。
さすがに、通信衛星がビグ・ザムの2倍以上の全長ってことはないでしょう(笑)。
あるいは姿勢制御用のスラスターの噴射・・・とか?
でもこの構造はHαやSⅡには写っていません。スラスターの噴射でOⅢ付近の輝線スペクトルって出るのかなぁ?

とにかく、人工衛星についての基礎知識が少なすぎて、これ以上の『考察ごっこ』は不能です。・・・無念。



★今後の課題っ!
どうも歯切れが悪いのですが
 位置を重視すると・・・『人工衛星らしい』
 像を重視すると・・・・『流星らしい』
ということで、今回の『考察ごっこ』はいったん打ち切りですなぁ。

では、今構想していることを少しだけ紹介しましょう。

追加プロジェクトA
 比較検討するには『基準』が必要。正体が判明している人工衛星を色んな機材で実際に撮影して観察する!

追加プロジェクトB
 人工衛星と流星を弁別しうる新システムを構築する!

Bの方は、そのうち公開できるかな?
ええと・・・・
 多連装BORG・冷却CMOS・ビームスプリッタ・回折格子・偏光格子・グローバルシャッター・ナローバンドフィルタ・・・などなどをフル動員して、経費ゼロで構築したいですなぁ。

しかし・・・相当に禍々しい魔道兵器)になりそう(笑)
完成の暁には・・・
で、デンドロビウムとでも名付けようか・・・・


by supernova1987a | 2018-08-27 20:50 | 天体写真 | Comments(15)

流星か?人工衛星か?②

★疑惑の『流星像』
先日の『三連装ガチBORG・グランデ』によるナローバンドで撮影に成功した(と思われる)流星像について、「人工衛星ではないか?」との疑惑が勃発したため俄然面白くなってきました。
ええと・・・ここで
「せっかく喜んだのに、流星じゃないの?」
とガッカリしたり
「否、俺が流星だと言ったら流星だっつーの!」
とムキになったりするのは、ごく正常な方々の反応
その点、天邪鬼あぷらなーと
「むう。面白くなってきた!」
と(ブログのネタができたことに)大喜びしちゃうのですねぇ(笑)



★一般的な見分け方は・・・
さて、では流星と人工衛星は、どのようにすれば見分けられるのでしょうか??
一般的な手法としては、次のような方法が考えられます。

●典型的な流星像
f0346040_03065604.jpg
 ※2001年のしし座流星群にて、あぷらなーと撮影

いきなり超弩級の流星(大火球)ですが、下記の典型的特徴があります
①途中で色が変化している。(緑→赤)
 これは流星本体が通過している間に励起された大気の様子に変化が起こったためです。
②軌跡が一様では無く太くなったり細くなったりしている。
 これは、流星の明るさ変化(やバースト)によるものです。一部、痕(励起された大気が漂った物)が重なって写った部分もあるかも。

f0346040_03130368.jpg
 ※2001年のしし座流星群にて、あぷらなーと撮影
上記の特徴に加えて、
③放射点(輻射点)から飛び散るように全ての流星が発生している
これは特に流星群に見られる特徴です。複数の流星の軌跡を延長して一点で交われば良いという訳ですね。


●典型的な人工衛星像
f0346040_03220979.jpg
 ※2017ふたご座流星群時にあぷらなーと撮影
この像には、先ほどの特徴が見られません。また、よく見ると下記の特徴があります
①軌跡の両端が鋭利に切り取られている
特に終端が、『細くなっていない』のですね。これは、光跡自体がそこで終わったのではなく、カメラのシャッターによって光跡が『切られた』ことを示唆します。その証拠に、このカットの直後に撮影したコマには・・・・
f0346040_03281416.jpg
このように、次のコマに『続き』が写っています
流星の場合、その寿命は1秒足らずですので30秒程度の露光の中でも『完結』するのですが、人工衛星はゆっくりと飛ぶので複数のコマにその『動き』が写ってしまうのですね。



★時々紛らわしいケースが・・・

さて、次のケースはどうでしょう。
f0346040_03344024.jpg
流星らしき現象が左右2個写ってますね。
このうち左側は、さきほどお見せした人工衛星そのものです。
問題は右側で、しし座流星群の例で見たような極端な光度変化や色の変化は見られません(ふたご群の特徴)。
ただし、軌跡の両端は細くなっており、その光度変化も(開始点と終点とで)非対称になっていることと、他の流星と輻射点が一致することで、ふたご座群の流星であると判断しました。

このように、肉眼で観察していれば(その飛行スピードから)一目瞭然なハズの流星と人工衛星も、写真に写った後だとその仕分けに結構難儀します。



★・・・で?
問題の写真はコチラなのですが・・・
f0346040_03412900.jpg
ナローバンドで撮影しSAO合成したものなので、この際色の変化はいったん無視してください。
軌跡の両端は細くなっていますが、まだ油断できません人工衛星の中には、単純に軌跡が伸びるだけではなく、上記の写真のように中程が急激に明るくなるタイプもあるからです。たとえば、イリジウムフレアと呼ばれる現象がそれで、衛星本体が装備しているミラー状のパネルに太陽光が反射して『一瞬光る』のですね。

一応、今回のケースでは、励起された希薄な大気中の酸素が発光する禁制線の波長を弁別できるOⅢナローバンドフィルタで撮影した像の解析から、
f0346040_02240180.jpg
このように、短痕(流星通過後に発生する残光のようなもの)と思われる微細構造が検出できたので、暫定的結論としては『流星だ』としたいところですが・・・。




★プロの研究結果を拝見する♪
今回の一件で、なんか論文はないのかなー?と徘徊していたとき、国立天文台の面白い記事を見つけました。

これ、すんごく面白い研究です!
(なんで今まで気づかなかったのだろう・・・)

上記の記事の中から興味深い部分を要約してみましょう。

 ①人工衛星の高度は500km程度
 ②流星の高度は100km程度
 ③恒星にピントを合わせると流星は『近すぎる』ので『ピンぼけ』になる
 ④流星のピンぼけ量は角度にして13秒程度
 ⑤人工衛星のピンぼけ量は1秒以下

このように発光高度の違いから生じるボケ量の差から弁別できるというのです!!
要するに『人工衛星の軌跡は細い』『流星の軌跡は太い』のですね。

「ほほー。じゃ流星の軌跡は13秒程度の幅を持っているのかー。」
と思った皆さん
・・・ちょ、ちょっと待ってー!!
これ、明らかに『妙』なのですよー。
例えば、600mm程度の焦点距離の望遠鏡にASI1600MMなどの冷却CMOSカメラを接続して撮影した場合、1ピクセルが1.2秒程度となります。すると、流星の軌跡の太さは10ピクセル以上・・・・。そんな馬鹿なっ!
いくらなんでも、そんな極太にはなりませんよー。

ふっふっふ。
ますます面白くなってきたじゃないか♪



★久々に『考察ごっこ』発動
ま、要するに光跡の太さから流星と人工衛星を弁別できるというのは口径8mを誇るすばる望遠鏡だからであって「我々アマチュアの貧弱望遠鏡ではムリ」ってことを考察してみようというわけです。

え・・・?
「分解能の違いだろ?」
「F値の違いだろ?」
「カメラの性能だろ?」
ですと?

いやいや、どれも関係ないのですよ。恐らく。

では・・・。今回は、中1理科の凸レンズ」と「中2数学の一次関数」および「中3数学の相似」だけを使って『考察ごっこ』してみます。(ごめんなさい。三角比だけは使わせてください。)
f0346040_04101174.jpg
上記のように、
 D:対物レンズの口径
 f:対物レンズの焦点距離
 d:被写体(流星)までに距離
 x:流星の実像が写る面までの距離
 b:流星のピンボケ量(ボケの直径)
と定めます。
簡単のため、使用する対物レンズは無収差の単玉薄肉レンズだとし、流星本体の大きさは無限小だとします。

すると、上の図から
x=fd/(d-f)
であることが分かります。
この場合、無限遠の恒星にピントを合わせた場合の焦点シフトは
x-f
で求まります。
また、この場合のボケ量(ボケの直径)は
D(x-f)/x
となりますので
ボケ量(ボケの直径)を角度に変換すると
atan(D(x-f)/2fx)
となり、これをラジアンから秒に変換すると
3600・180atan(D(x-f)/2fx)/π
と求まります。

さて・・・あとはEXCEL君に頑張ってもらいましょうか♪



★10cmF5の望遠鏡の場合
f0346040_04360995.jpg
計算結果は上図のようになりました。
このように被写体(流星)の高度が高くなればなるほど、ボケの量が小さくなっていき、すばるの研究結果で想定されていた高度100kmだと、そのボケ量はわずか0.2秒に過ぎないことが分かりました。
コレじゃ、ASI1600MMの1/6ピクセルですから、検出は不可能!!



★ボケ量と口径の相関
では次に、高度100kmの対象を撮影した場合のボケ量について、口径を変えた場合の変化を推算してみます。
すると
f0346040_05143040.jpg
このように、対物レンズの口径に比例してボケ量が増加することが分かりました。
高度100kmで発光する流星を撮影した際のボケ量は
口径10cmの望遠鏡だと0.2秒角に過ぎないが、口径約8mのスバルだと約17秒角にもなる
ということが推測されました。

うむ。
これは国立天文台が発表している「約13秒角のボケが観測された」という結果とオーダーレベルで非常に良い一致を示しますなぁ♪


★17秒と13秒の差は何なのだ?!
所詮中学レベルの理科と数学しか使っていない『考察ごっこ』なので、オーダーが合うだけで立派だとは思うのですが、念のためもう少し詰められないか考えてみました。
これは、そもそも円状のボケ像が撮像素子上を動いた場合、濃淡ができるのではないかという考えです。
f0346040_05350226.jpg
イメージ的には、光跡の中心は前後に幅のある太ペンで書かれたようなもので、光跡の端っこは細ペンで書かれたようなものではないかと。

ちとEXCEL君でシミュレートしてみます。
f0346040_05423304.jpg
するとこんな風に、軌跡の中心から離れれば離れるほどその輝度(濃度)が低下することが示唆されました。
そう考えると、より暗い流星像になればなるほど、その軌跡周辺部は検出が難しくなり軌跡は細く見えることになります。
国立天文台発表の約13秒角という値が今回推算した約17秒角よりも少し小さいのはごく自然なことなのかも知れませんね♪

※追記:
上記仮定の下でFWHM(半値幅)を求めると約14秒となり、すばるの観測結果と良い一致をみます。



★というわけで、今回の結論
あぷらなーとが撮影した『流星』の軌跡が、すばるの研究結果で示された結果よりも著しく細いのは、決して矛盾しない♪(流星である可能性を否定できない)
要するに、単に口径が小さすぎただけ(笑)。ええと、カメラ好きの方に分かりやすい例えで言えば、すばるとくらべてBORG89EDは超小絞りなので「被写界深度が深すぎた」というイメージ。だから前ボケ(流星の軌跡ボケ)が生じなかった・・・と。


うひー。疲れた~。
ここまで考察ごっこして、『画期的な観測方法』を閃いたのだけれども、今回はここまで♪

え?気になりますか?
それは、もう
「BORG89EDを3本使って、すばる並の弁別能力を叩き出す!」
という、またまた変態チックなアイディアですよー。


★★★お約束★★★
あぷらなーとは流星の素人なので、今回の『考察ごっこ』は単なる遊びの域を出ません。回折の影響やシンチレーション(シーイング)の影響は加味していませんし、計算ミスなどが潜んでいる可能性もあります。

国立天文台発表の「流星本体の『太さ』が数ミリ」という画期的な結論表記に関しては、クロスセクション(衝突断面積)とかミーンフリーパス(平均自由行程)について勉強された経験の無い方には誤解を招く表現なのかも・・・・?
そのうち元論文をきちんと読んで記事を書くかも知れません。

by supernova1987a | 2018-08-26 06:08 | 機材考案 | Comments(4)

流星か?人工衛星か?

★渾身の『隠し球』に疑惑が勃発

先日『三連装ガチBORG・グランデ』のファーストライトで偶然ゲットした、極めて希と思われる「ナローバンドで撮影した流星」なのですが・・・


f0346040_01164352.jpg
けむけむさんから、「イリジウムフレアじゃね?」と背筋も凍る(笑)コメントが・・・・。
確かに、言われてみればイリジウムフレアに代表される人工衛星の反射光に似てるんですよねぇ。

これが通常の流星撮影のように広角レンズ+カラーカメラで撮影したのであれば弁別は簡単です。
人工衛星なら見かけの移動速度がゆっくりなので(移動する様子が)複数のコマに写っていたり、流星ならその経路に従って色の変化が写っていたり、明るい流星ならその痕が後のコマに残っていたり・・・・とにかく、見分ける手段はいくらでもあります。
また、動画撮影なら移動の様子からアッサリと正体が判明しますね。

でも、今回は20秒露光で、フルサイズ換算1200mmという長焦点で、しかもナローバンドモノクロ・・・という、あまりにも希有な撮影条件なので、これまでの経験則が活かせません。

さて・・・
けむけむさん家のブログでは、この件に関して言及したエントリーを書いていただきまして・・・

「ああっ、人工衛星ってこんなに飛んでるんだー」
と改めてビックリ。

考えれば考えるほど「人工衛星じゃね?」疑惑が高まってきます。

・・・・だが、しかし!

★面白くなってきたじゃないか!

やっぱ、『サイエンスごっこ』はこうじゃないとねぇ。
なんだか「UFOが写ったような」ワクワク気分になってきましたよ。

台風の接近で天体写真も撮れないことだし、しばらくのあいだ『考察ごっこ』してみますかねぇ。

<素人なりに無い知恵を絞って考えた見分け方>
①そのトラックの太さが異なるのではないか
 ※無限小の人工天体と励起された大気の柱とは見かけの太さが異なるのでは?
②スペクトルの違いが検出できないか
 ※太陽光の反射なら連続スペクトル、流星なら輝線スペクトルのハズ。
  残念ながら分光測定してませんが、3波長だけでも差異が出ないか?
③ストラクチャの違いは検出できないか
 ※流星なら短い痕が重なって写っている可能性がある
④理論上、人工天体のフレア継続時間は計算できないか
 ※中学理科のレベルでも太陽面をピンホールが通過するモデルで説明できる?

★まずは手っ取り早く②と③行ってみよー♪

いやー、ほんと後悔しますよー。
せっかく回折格子を使った『なんちゃって分光器』とか作ってたのに、なんで投入しなかったかなー。


だぶん、スリット+回折格子の簡易分光器で撮影してたらスペクトルを特定できたんですよねー。
※でも明るさが足りないか・・・。

ま、無い物ねだりしても仕方ないしこの手の現象は「一期一会」なので、手持ちのデータだけでやってみます

ノイズを消したり色々すると変な構造が出るので、素のFITSをいじってみます。

すると・・・

おお!?
明らかにHαバンドとOⅢバンドで構造が違うのを見つけましたよー♪

では、ピクセル400%画像をご覧ください。
★Hαでの画像
f0346040_02143321.jpg
★OⅢでの画像
f0346040_02144641.jpg
いかがでしょう。
励起された地球大気が水素のバルマー系列の輝線スペクトルを発するとは思えないので、Hαの方は流星本体由来の元素の(Hαと波長が近い)輝線スペクトルを拾ったのだとして、OⅢの方は大気の励起を捉えている可能性があります。つまり『痕』を本体と重ねて撮影している可能性も否定できないのですね。
f0346040_02240180.jpg
詳しく見ると、上記のようにOⅢバンドでは明確な構造が捉えられていました

フラットナーの配置位置ミスで収差が出ている可能性もありますが、それだと本体の軌跡と平行に構造がでるハズです。しかし、上記の画像では『放射状』に広がるように見えるので、収差による像のブレよりも有意な構造が捉えられたと考えます。


さて、①と④の考察ごっこは後日のお楽しみ、ということで(笑)。なお、該当日時に付近を通過した人工衛星が無かったかは(こういうの私苦手なので)けむけむさんが調べてくれることに期待♪


by supernova1987a | 2018-08-23 02:32 | 天体写真 | Comments(6)

『隠し球』公開♪

★人生、何があるか分からないもの

先日来、色々と画像処理している『三連装ガチBORG・グランデ』で三色ナローバンド同時撮影した北アメリカ星雲ですが・・・。

ふっふっふ。
実は、とんでもない『隠し球』が1つありまして・・・・。

そろそろ公開と行きますか♪


それは・・・・

ででん!
f0346040_01041544.jpg
   ※左:Hα 中:SⅡ 右:OⅢ

・・・お分かりいただけただろうか?

はい。
極めてレア・・・というか、三連装砲以外では撮影不可能と思われる
「600mmの長焦点で」かつ「Hα・SⅡ・OⅢナローバンドで」撮影された流星ですっ!!

いつか試してみたかったのですよー。
ナローバンドで流星を撮るとどうなるのか・・・ってね。

しかし、こればかりは運が無いとねぇ。
しかも、物理的に、ビームスプリッタ方式か多連装方式じゃないと撮影はできない。

・・・で、数年間くらいコツコツやってれば、いつかヒットするんじゃないかと思ってた矢先の出来事でした。


北アメリカ星雲のナローバンド撮影コマに写ってるじゃないか!

いやー。
久々に手が震えましたよ。


★いよいよその全貌が明らかに!

では、先日の北アメリカ星雲全景と比較明合成してみましょうかね。

ででん!!
f0346040_01164352.jpg

ちなみに、SAOパレットではなく、私の好きな『SOAリバース』パレットで流星付近を処理すると、明るさのピーク付近でOⅢの輝線(このパレットではマゼンタ)がバーストしてるっぽいのが分かる♪
f0346040_01462757.jpg
 ※流星が写ったコマのみをSOAリバースパレット処理

★これぞ『あぷらなーと』(○EITAI)ってな作品に

行くぜ!
『SOAリバース』パレットで流星と北アメリカを比較明合成だー!!

でででん!!
f0346040_02050802.jpg


いやー。
たまにこんなことがあるから、天文はやめられない

三連装でなければ、データの選別時に「突発ノイズっ?」とか思ってハネちゃってたかもしれない。
ま、これも一種のコインシデンスのようなものでして、また一歩『冬のマル秘大作戦』に向けて前進したかも??


★★★お約束★★★

三色ナローバンド撮影は、作為的に任意のスペクトルを強調した物なので、この写真を見て流星はHa.S2.O3で光ってるのか、などと解釈してはいけません。
分光測定と異なり、今回は単なる遊びに過ぎません。




by supernova1987a | 2018-08-21 01:27 | 天体写真 | Comments(12)


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